2025.11.26
家づくり

冬に寒い家の原因と対策|後悔しない窓・断熱・気密の決め方ガイド

冬になると、窓辺だけひんやりしたり、足元がスースーしたり、部屋は暖めているのに寒さを感じるとお悩みではありませんか?

その悩みの多くは、窓や断熱の切れ目、気密不足が原因です。体感温度は室温だけではなく、湿度や空気の流れでも大きく変わります。

そこで今回は、これから家づくりをする方に向けて、「窓・断熱・気密」をどう決めれば冬でも心地よい家になるのか、わかりやすく解説します。冬でも寒さを感じない、素足で歩ける暖かい家を目指しましょう。

冬に家が寒くなる主な5つの原因

冬に家が寒くなってしまうのは、主に5つの原因があります。

窓から熱が逃げやすい

家の中でいちばん熱が出入りしやすいのが窓です。ガラスそのものの断熱力に加えて、サッシ枠や壁とのつなぎ目も弱点になりがちです。夜に窓際へ行くとスーッと冷たい空気が足元へ流れ落ちることがありますが、これは窓辺で冷やされた空気が下降する「コールドドラフト」のためで、室温は十分でも、体感温度が下がる原因となります。

結露が出やすいのも、窓の表面温度が他より低いサインです。窓の温度が低いことが、室温に影響を及ぼしているのです。

気密不足(すき間風・壁内通風)

暖房しても家がなかなか暖まらないときは、どこかに空気の抜け道があるはずです。

  • サッシ周り
  • 配管・配線の貫通部、点検口
  • 天井裏や床下と室内の接合部

など、小さなすき間が体感温度を大きく下げています。

加えて、壁の中を空気が通り抜ける壁内通風が起きると、断熱材の性能まで落ちてしまいます。

断熱材の切れ目から冷えが入り込む

断熱材は、家を毛布で包んでいるイメージです。ところが、柱や梁、サッシ周りなど断熱材が途切れる所があると、そこから冷えが入り込みます。まずはその冷えポイントを作らないことが大切です。

さらに、その冷えポイントに室内の湿気が集まると、内部結露の温床にもなりやすいです。断熱材は、性能や厚みはもちろん、隙間がないことが非常に重要なのです。

換気の方式とエアコンの能力不足

暖房はつけているのに寒い場合、換気の方法や機器の選定・運用に原因があることも考えられます。換気は24時間運転が前提で、方式(第一種・第三種)と家の気密レベルが合っていないと、せっかくの暖気が外へ逃げがちです。ダクトの断熱不足や風量バランスの未調整も体感を悪化させます。

また、エアコンは「畳数表示」だけで選ぶと能力不足になりやすく、設置位置や風向が悪いことも温度ムラが残る原因となります。霜取り運転で一時的に送風が止まる冬特有のクセもあるため、場合によっては、サーキュレーターや天井ファンで空気を巡回させる工夫も必要です。

吹き抜け・リビング階段・玄関直結など間取りの要因

吹き抜けは天井が高いため、暖かい空気が上にたまりやすく、下のフロアはひんやりと冷気を感じやすくなります。また、リビング階段はおしゃれですが、上下をつなぐ縦の通り道となり、暖かい空気が階段を伝って上へ抜け、代わりに冷えた空気が下に降りてくる循環が起きやすい間取りです。

さらに、玄関がリビングなどと直結している場合は、ドアの開閉で外の冷気がまとまって入り、床面に広がりやすくなります。特に、タイルや土間は表面温度が下がりやすく、足元から熱を奪う要因にもなります。

冬に寒くならない家づくり

では、冬に家が寒くなる要因を踏まえて、暖かい家づくりのヒントをご紹介します。

窓は素材と位置が重要

窓は家の体感温度を大きく左右するものです。まずサッシは、見た目よりも断熱・気密のバランスで判断すると失敗が少ないです。熱を通しにくい樹脂サッシを基本とし、ガラスは複層かトリプルか、スペーサーやガス封入の有無でも性能が変わります。 配置は方位ごとの役割を意識するしましょう。

  • 南なら冬の日差しを取り込めるようにやや大きめにする
  • 東西は眩しさと夏の過熱に注意する
  • 北は最小限かつ性能高めにする

庇、外付けスクリーン、植栽まで含めて、冬の寒さだけでなく、夏の暑さを遮ることができるように工夫することが大切です。

断熱は全体のバランスと連続性が重要

家の断熱は「家全体を毛布で包む」イメージです。どこか一部だけ分厚くしても、薄いところから冷えが入ってきます。まずは「どれくらい暖かい家にしたいか」という目標(性能の目安)を決めて、屋根(または天井)・外壁・床を、同じくらいの厚さで、切れ目なく整えましょう。

グラスウール・セルロース・吹付けなど断熱材の種類よりも、

  • 厚みがしっかりあること
  • すき間がないこと
  • つなぎ目が途切れないこと

が重要です。

冷えが出やすいのは、柱や梁、窓枠のまわり、基礎の立ち上がりなどの境目ですから、図面の段階で要注意ポイントを洗い出し、工事中は写真で「押し込み跡やすき間がないか」を確認すると安心です。

冷えが入ってこない気密の基準

家のすき間が小さいほど、暖かさは長持ちします。目安となる数値「C値(シーチ)」は、小さいほど優秀です。新築ならまず1.0以下、できれば0.5以下、可能なら0.3以下を目標にすると安心です。

大切なのは、壁や天井をふさぐ前の段階で一度チェックすること(中間気密測定)です。工事の途中で測って、その場で直せる体制があるかを、契約前に確認しておきましょう。

暮らし方に合わせた暖房方式を選ぶ

暖房は、家族の暮らし方に合わせて選ぶと失敗が減ります。間取り、部屋の位置、家族の人数などによって適した暖房方式は違ってきます。

各室エアコンはコスパが良く、部屋ごとに温度を調整しやすいのが強みです。床下エアコンは足元からぽかぽかしますが、断熱・気密がしっかりしている家向けです。

全館空調は家じゅうの温度ムラが少なく快適な反面、初期費用や定期点検のコストもかかります。床暖房は体感がとても良いものの、家の断熱が弱いと光熱費がかさみやすくなります。

どの方式でも大切なのは、暖房能力(サイズ)と置き場所です。畳数の目安だけで決めず、間取りや天井高も考えて選ぶと安心です。

寒さを減らす間取りの工夫

吹き抜けやリビング階段は開放的で気持ちいい反面、暖かい空気が上に抜けやすく、下のフロアが冷えやすくなります。必要なときに扉で仕切れるようにしておくと、暖気が逃げにくくなります。あわせて、天井ファンやサーキュレーターで空気をゆっくり回すと、上下の温度差がやわらぐでしょう。

玄関は外と直結しているため、ドアを開けるたびに冷たい空気が入りやすい場所です。二重ドアや風除室があると安心ですし、土間は冷えやすいので足元用マットを敷いたり、ドアの下のすき間を小さくしたりするだけでも体感は変わります。

まとめ

冬の寒さは、窓からの熱の出入り、断熱の切れ目、家の中のすき間が主な原因です。窓の素材と位置を工夫し、家全体を切れ目の無いように断熱材で覆うことで、冷えにくい家になります。気密を高め、その家の間取りにあった暖房方式を選べば、どの部屋も効率よく温めることができるでしょう。

さらに、見た目のおしゃれさだけでなく、冷えがたまりにくい間取りにすることで、冬でも寒くならない家づくりができます。大切なのは家を建てた後では直しにくいところを先に決めることです。図面だけでなく、工事中の確認までセットで考えましょう。

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