新築一戸建ての費用はいくら?内訳から節約術まで丸ごと解説

新築一戸建ては、多くの方にとって人生最大の買い物です。しかし、具体的な費用がわからないまま計画を進めると、予算オーバーや予期せぬ出費に悩まされることもあるため、資金計画が非常に重要です。
そこで今回は、新築一戸建てにかかる費用について、土地代、建物費、諸費用など、費用内訳を詳しく説明するとともに、費用を抑えるためのポイントについても解説します。
これから新築一戸建てを購入しようと考えている方は、この記事を最後まで読んでいただければ、費用に関する疑問が解消され、家づくりをスムーズに進めることができるはずです。
新築一戸建ての費用の基本を知る

なんとなく計画を進めてしまうと、あっという間に予算オーバーしてしまいます。費用面で後悔しないためにも、事前にしっかりと準備しておくことが大切です。
新築一戸建てにかかる平均的な費用
新築一戸建てを建てる際の費用は、土地の購入費用や建物の建設費用などを含めて、全国平均で約3,000万円〜5,000万円前後といわれています。ただし、地域によって大きく異なり、都市部では土地代が高いため、費用はもっと高くなるでしょう。
たとえば、東京や大阪などの都市圏では、土地代が非常に高いため、全体の費用が5,000万円を超えることもあります。一方、地方では比較的安価に新築住宅を建てることができ、3,000万円以下で家づくりが可能な場合もあります。
建物本体の費用だけでなく、住宅の建築には「外構費用」や「付帯工事費用」なども含まれます。これらを見落とすと、予算オーバーに繋がる可能性がありますので、事前にしっかり計算しておくことが大切です。
注文住宅と建売住宅の費用比較
新築一戸建てを考える際には、「注文住宅」と「建売住宅」の2つの選択肢があります。それぞれの特徴と費用面での違いを理解し、自分たちのライフスタイルに合った選択をすることが重要です。
- 注文住宅の費用
注文住宅は、自分たちの希望やライフスタイルに合わせて、ゼロから家を建てるスタイルです。そのため、自由度が高い一方で、費用が高くなりやすいという特徴があります。注文住宅の費用は3,000万円〜5,000万円程度が一般的です。 - 建売住宅の費用
建売住宅は、すでに完成している家を購入する形になります。デザインや間取りに自由はありませんが、価格が比較的抑えめであることが大きなメリットです。価格帯は2,500万円〜3,500万円程度が多いですが、地域や仕様によって異なります。
エリアや建物の規模で費用は変わるため、一概にはいえないものの、一般的には建売住宅の方が、注文住宅よりも初期費用は安い傾向にあります。
新築一戸建ての費用内訳を詳しく解説

新築一戸建てを建てる際、費用は大きく分けていくつかの項目に分類されます。それぞれの費用がどのようにかかるのか、詳しく解説していきます。
土地購入費用:知っておきたいポイント
新築一戸建てを建てる際、最初に必要なのは土地の購入です。土地の価格は、住宅費用全体の大きな割合を占めるため、慎重に選ぶ必要があります。
土地の価格は立地、面積、土地の形状、周辺のインフラ環境(交通、学校、病院など)によって大きく異なります。都市部や人気のエリアでは高額になりますが、郊外や地方では比較的安価で購入可能です。
住宅金融支援機構の調査によると、全国平均でおよそ1,500万円、首都圏では2,288万円となっています。
(参考:「2022年度 フラット35利用者調査」https://www.jhf.go.jp/files/400366726.pdf)
土地が平坦であれば問題ありませんが、傾斜地や形が不規則な土地を購入した場合、整地作業や造成工事が必要になることがあります。これには別途費用が発生します。
建築費(本体工事費)の目安
建築費は、新築一戸建てにおける最も大きな部分を占めます。建築費は、住宅の設計、施工、材料、工事の進行管理などにかかる費用です。
新築一戸建ての本体工事費は、住宅の規模や仕様によって異なりますが、住宅金融支援機構の調査によると、およそ3,100万円となっています。
- 基礎工事:土台を作るための工事費用
- 構造体工事:骨組みを作る工事費用
- 設備工事:水道、電気、ガスなどの配管工事
- 内装工事:壁、床、天井、扉などの内装工事
- 外装工事:外壁や屋根の仕上げ工事
建築費用は住宅のグレード(高級仕様や省エネ設備など)によって大きく変動します。高級素材を使ったり、特殊なデザインを取り入れる場合は、その分コストが増加します。
外構費用・付帯工事費用について
外構費用や付帯工事費用は、建物本体の建設が完了した後に必要となる費用です。外構とは、家の外周りに関連する工事で、駐車場や庭、フェンスなどが含まれます。
【外構費用】
駐車場のコンクリート工事、庭の芝生や植木の設置、門扉やフェンスの設置などが含まれます。建物本体の10%程度が目安で、金額としては100万円〜300万円程度です。
【付帯工事費用】
付帯工事とは、家を建てるために必要不可欠な工事で、基礎工事や上下水道の整備、電気やガスの引き込み工事などが含まれます。
外構や付帯工事は建物本体の工事と同様に重要ですが、予算を確保していないと、後で「予算オーバー」となる可能性があるため、事前にしっかりと計算しておくことが大切です。
諸費用(手数料、税金など)とその計算方法
新築一戸建てを購入・建設する際には、本体費用や土地費用以外にもさまざまな諸費用が発生します。これらの費用を把握しておくことが、予算を計画的に管理するために重要です。
【登記費用】
土地や建物を登記するための費用がかかります。登記費用には、登録免許税や司法書士への報酬が含まれます。登録免許税は土地や建物の価格に基づいて計算され、一般的に税率は1.5%程度です。
【印紙税】
契約書に貼る印紙にかかる費用。契約金額に応じて決まるため、金額に比例します。なお、電子契約書の場合は不要です。
【住宅ローン手数料】
住宅ローンを利用する場合、金融機関に対して手数料や保証料、事務手数料がかかります。これらの費用は、借入金額や金利条件によって異なります。
【消費税】
建物の価格に消費税が加算されるため、消費税分を別途計算する必要があります。なお、土地の購入には消費税はかかりません。
【その他の税金】
不動産取得税や固定資産税などが発生します。不動産取得税は、新しく土地や建物を取得した際にかかる税金で、税額は物件の価格によって異なります。
諸費用は予想以上に高額になることがありますので、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
新築一戸建ての費用を抑えるポイント

新築一戸建てを建てる費用は、設計や間取り、仕様の選び方によって大きくコストダウンが可能です。
設計・間取りでコストダウンする方法
家の作り次第で、コストダウンは可能です。
- シンプルな間取りにする
- 収納を工夫する
- 天井高を下げる
- 外壁材をシンプルにする
- 窓を少なくする
などの条件を考えてみましょう。
家の形状が複雑になると、その分、設計や施工にかかる費用が増える傾向にあります。たとえば、L字型や凸凹した形状の家は、建築費が高くなる場合があります。一方で、シンプルな長方形や四角形にすることで、建物の構造がシンプルになり、建設コストを抑えることができます。
また、吹き抜けや大きなガラス窓など、特別なデザインは見栄えが良い一方で、施工費用が高くなることがあります。予算を抑えるためには検討が必要です。
標準仕様とオプション費用のバランス
住宅を建てる際、標準仕様とオプション仕様の選択も費用に大きく影響します。標準仕様には基本的な設備や材料が含まれており、オプション仕様を追加することでより高級な設備を導入することができますが、費用が上乗せされるため、バランスを取ることが重要です。
標準仕様とは、建築会社が提案する基本的な設備や材料のことです。多くのケースで、標準仕様には品質が十分な材料や設備が使用されており、家の基本的な機能を満たすのに問題はありません。たとえば、標準仕様のキッチンやバスルームは、価格帯的にも手が届きやすく、機能的にも満足できるものが多いです。
新築一戸建ての費用で失敗しないためのコツ
予算オーバーを防ぎ、理想の家を手に入れるためには、事前にしっかりと計画を立てることが重要です。
予算を明確にして優先順位をつける
新築一戸建てを建てる際、最初に考えるべきは予算の設定です。家づくりにはさまざまな費用がかかり、無計画に進めると予算オーバーしてしまうことがあります。失敗を避けるために、予算を明確にし、その中で優先順位をつけることが重要です。
最初に自分たちがどれくらいの費用を支払えるか、無理のない範囲で予算を決めます。土地代、建物の工事費、諸費用など、全体の金額を把握し、余裕を持たせることが大切です。たとえば、予算の30%を土地代、40%を建築費、残りの30%を諸費用に割り当てるというように、全体をバランスよく計画します。
そのうえで、必要不可欠な部分を最優先することで、理想の家を予算内で作ることができます。たとえば広いリビング、最新のキッチン設備などが優先されることが多いですが、必要のない部分にはコストをかけないようにしましょう。
複数の会社から見積もりを取る
新築一戸建ての建築費用は、業者によって大きく異なることがあります。そのため、複数の建築会社から見積もりを取り、比較検討することが非常に重要です。
見積もりを取る際には、できるだけ多くの会社に依頼し、同じ条件で見積もりを出してもらいましょう。費用や内容がどのように違うのかを詳細に確認し、最も信頼できる会社を選ぶことが大切です。
価格だけでなく、標準仕様やオプションの内容も確認してください。安いからといって、施工内容や保証が手薄な場合もあるため、サービス内容を含めて比較検討することが大切です。たとえば、設備のグレードやアフターサポート、保証の内容が異なる場合があります。
価格が安くても納期が遅れたり、品質が低かったりする会社もあります。価格だけにとらわれず、信頼性を重視して選ぶようにしましょう。
自分に適した住宅ローンを選ぶ
新築一戸建ての費用を賄うために、ほとんどの方が住宅ローンを利用します。自分に適した住宅ローンを選ぶことは、長期的な支払い負担を軽減するために非常に重要です。
住宅ローンには「変動金利型」「固定金利型」「固定金利期間選択型」など、さまざまな金利タイプがあります。変動金利は金利が低い時期は安く済みますが、将来的に金利が上がるリスクがあります。固定金利は金利が一定なので、安心して返済計画を立てられますが、初期の金利が高めです。自分のライフプランに合わせて、適切な金利タイプを選びましょう。
また、返済期間を長くすると月々の返済額は少なくなりますが、総支払額が増えます。返済期間を短くすると月々の負担は増えますが、利息を抑えることができます。自分の収入や将来のライフスタイルを考慮して、無理のない返済計画を立てることが大切です。
住宅ローンを組む際には、事務手数料や保証料、繰上げ返済手数料などが発生することがあります。これらの費用も事前に確認し、予算に組み込んでおくことが必要です。
まとめ
新築一戸建てを建てる際には、費用面での失敗を防ぐために計画的な準備が欠かせません。まず予算を明確にし、家づくりで重視するポイントに優先順位をつけることが大切です。
また、複数の建築会社から見積もりを取り、内容やサービスを比較することで、コストパフォーマンスの高い選択が可能になります。さらに、外構費用や付帯工事費用、諸費用といった見落としがちな項目も考慮し、予算内に収める工夫をします。これらのポイントを押さえ、理想の家を無理のない費用で実現するために、しっかりと計画を立てて進めていきましょう。
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