二世帯住宅のメリットは?デメリットを回避して楽しく暮らすコツ
昔は、親子と祖父母、三世代同居は当たり前でしたが、核家族化が進み、一つの家族で住むスタイルが定着しました。親が高齢になると近くにいないと心配、しかし同居するとなると価値観の違いやプライバシーがなくなるといった問題も気になります。
そのような方におすすめしたいのが二世帯住宅です。親と同居することのデメリットばかり強調されがちですが、一つ屋根の下に住むといっても家の作り方次第でプライバシーもしっかり確保できますし、経済的にもプラスになる面があります。
今回は、二世帯住宅のメリットやデメリットについて詳しく解説します。デメリットを回避し、お互いが気持ちよく楽しく暮らせる二世帯住宅を作りませんか?
目次
二世帯住宅のメリットは家族で協力して暮らせること
二世帯住宅にするか迷っている人は、このようなメリットがあることを知っておいてください。
家族で助け合える
子供が病気になったときに手伝ってもらうこともできますし、親の具合が悪くなったときには病院に付き添うなど、お互いに助け合いながら暮らしていくことができます。
特に、親が高齢になるといろいろと心配事も増えますが、近くにいるといざというときにサポートしやすく、安心です。二世帯住宅なら、まさに「スープの冷めない距離」で暮らせます。
資金を出し合って建てられる
家を建てるとなるとそれなりの資金が必要です。しかも二世帯住宅なら、2家族分のスペースが必要なので、1家族のみの家と比べると広くなります。その分資金も多く必要です。
しかし、親子で資金を出し合えるなら自分の負担が多少なりとも減らせます。ローンの組み方にも選択肢が色々と出てくるでしょう。
建築費用を抑えられる
二世帯住宅は資金が多く必要になるとお話ししましたが、単純に2倍になるわけではありません。玄関など共用できる部分がありますから、その分はコストを減らすことができます。近いところに家を2軒建てて暮らすより割安です。
暮らしのコストをカットできる
光熱費はメーターをまとめれば基本料金が1軒分になります。あとは使った分をそれぞれが支払えばよいので、自分たちだけで暮らしていた時よりも、コストカットできる可能性があります。水道も電気も、たとえば4人が6人になったからといって単純に1.5倍になるわけではないので割安になるはずです。
また、インターネット代やケーブルテレビなどの料金も、一緒に使うプランを選ぶことで毎月の負担を減らせるかもしれません。
二世帯住宅のタイプは3つある
一口に二世帯住宅といっても、いくつかのタイプがあります。よく話し合い、家族の暮らし方や建築予算によって決めると良いでしょう。
完全同居型は玄関は一つ、すべて共用
玄関もキッチンもお風呂もすべて共用で、それぞれ家族の部屋があるタイプです。昔の家は、お嫁さんが嫁いできて一緒に暮らすこのタイプでした。
水回りの共用は煩わしいと感じる人も多いと思いますが、将来親の世帯がいなくなったときに工事が要らず、自分たちの家として利用しやすいというメリットがあります。
一部共有型はプライバシーを確保しやすい
玄関はひとつで、1階と2階で居住スペースを分けて使うなど、一部を共有する形です。プライベートな空間を維持できるうえ、一部共有することで建築費用を抑えられるというメリットがあります。
完全分離型は玄関も水回りもすべて別々
玄関も居住スペースも独立しており、たとえば1階は親世帯スペース、2階は子供世帯スペースとし、玄関も別ですから、家の中で偶然顔を合わすということもありません。アパートなどの集合住宅のようなイメージで暮らすことができます。
左右に分離したタイプは、将来、空いたスペースを賃貸として貸し出すことも可能です。
二世帯住宅のデメリットは生活時間のずれや建築費
近くにいるからこそのデメリットも、少なからずあります。しかし、デメリットがあると知っておけば対処法を考えることもできるでしょう。
プライバシーが確保しづらいことがある
完全同居型は、プライバシーの確保が難しいです。入りたい時間にお風呂に入れない、リビングでゆったりできないなど、ストレスを感じる人も多いと思います。一人に一部屋があればいいのですが、なかなかそうもいかないでしょう。世帯の人数が多くなるほど、ストレスが増えます。
建築費が高くなる
一部共有型、完全分離型は、キッチンや浴室、トイレなどをそれぞれの世帯に作ります。1つの家に2世帯分の設備が必要となるため、完全同居型と比べると、建築費は割高になります。
生活の時間帯が合わない
親世帯はすでに仕事を引退して、悠々自適の生活かもしれませんが、子供世帯はまだ現役世代。仕事や学校もありますから、どうしても生活の時間が合わなくなってきます。親は早い時間にゆっくりと寝たいのに、子供世帯が遅い時間までリビングでテレビを見ているとうるさくて眠れないということもあるでしょう。
家計の分担でトラブル
光熱費をどう分担するか、きちんと話し合って決めておかないと後々トラブルになりかねません。メーターが分かれていれば、それぞれが使った分を支払えば良いのですが、同居型の場合は計算が難しいです。
たとえば親世帯2人、子供世帯4人の場合、均等に分けて1:2にするのか。本当にそれでお互い納得できるか、話し合いが必要です。片方は、日中仕事や学校でいないからあまり光熱費を使っていないと思っているかもしれませんが、親からすると子供たちはお風呂に入る回数も多いし、電気もつけっぱなしなことが多いと不満を持っているかもしれません。
完全同居型、一部共有型は、基本料金を一つにすれば全体として光熱費の削減にはつながるのですが、不公平感を産まないような分担にすることが大切です。
二世帯住宅のデメリットを無くして気持ちよく暮らす方法
デメリットをゼロにすることは難しいかもしれませんが、できる限りみんなが気持ちよく暮らせるよう、歩み寄ることはできるはずです。トラブルを避けるため、家族でよく話し合いましょう。
よく話し合い、適したタイプを選ぶ
二世帯住宅には3つのタイプがありました。家族の人数、ライフスタイル、理想の暮らし方などによって、適したタイプが違います。一緒に暮らす上で何を重視するかがポイントです。
生活の時間帯が全く合わないなら、ストレスを感じないように完全分離型が適していますが、予算の関係上、建築費用を抑えたい人は完全同居型、もしくは一部共有型が良いでしょう。お金をかけてでもプライバシーを確保したい人もいれば、一部を共有することで一緒に楽しく暮らせると考える人もいます。
自分たちが重視したいポイントをはっきりさせ、安易に妥協することなく納得がいくまで話し合うことをおすすめします。きちんと話し合ってお互いの理解を深めることで、後悔しない家づくりができます。
プライバシーを確保できる間取り
世代が違えば価値観も違いますから、同じ屋根の下でもある程度距離を保てる方が、トラブルなく暮らしていけるでしょう。
プライバシーを確保するには完全分離型が望ましいですが、難しい場合は、たとえばリビングなど共有部分を通らずに自室にいける間取りにするなど、工夫が必要です。
共用部分の使い方のルールを決める
一緒に暮らしていると、親子であっても気になることが出てくるものです。トイレやお風呂の使い方、ゴミの出し方、掃除の仕方などひとつひとつは小さな違いでも、一度気になってしまうとそればかりが目につくようになってしまう、そんな経験はありませんか?
自分が気にならなくても相手が嫌だと感じることなら、できる限り不快な気持ちにさせないよう、気をつけたいものです。そのためにも、何が気になることなのか話し合っておくことをおすすめします。自室はどう使おうとかまいませんが、共用部分については、みんなで気持ちよく使えるようなルール作りが必要です。
まとめ
二世帯住宅は、近くにいることで助け合って暮らせる、親世帯と子供世帯で資金を出し合い建築費用を節約できるというメリットがあります。一方で、間取りによってはプライバシーが確保しづらかったり、生活の時間帯が合わずにストレスが溜まることもあります。
世代も違い、価値観も違う家族が快適に暮らしていくには、お互いのライフスタイル、気になることなどよく話し合い、理解を深めることが大切です。デメリットも、話し合い次第でメリットに変えていけるでしょう。
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