コラム
まもなく、新たなギャラリーがオープンいたします。
完成が近づくにつれ、日々、趣を増していく佇まいに、
心が引き込まれていくように感じます。

今回のギャラリーを計画していく中で、私は「侘び寂びを感じる空間とは何か」を改めて考えてみました。
お寺や町家で感じる、心が洗われていくような清らかな感覚。
そして、縁側に腰を掛け、建物や庭を眺めながらただ静かに過ごす時間。
それらはいったい、何によって生まれるのでしょうか。
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そこにあるのは、無駄を削ぎ落とした建築や丁寧に手入れをされた庭。
そして、それらが長い歳月の中で少しずつ変化していく姿です。
木部は艶を帯び、色に深みが増していく。
庭の植栽たちはその土地の環境に寄り添うように、枝を伸ばしていく。
そうして重ねられた時間に触れたとき、五感が静かに研ぎ澄まされ、まるで空間そのものに包み込まれるような感覚に陥ります。
それは心地がよく、どこか忘れかけていたものを思い出させてくれるようでした。
もしかすると、それこそが「侘び寂び」なのではないか。
私はそう思います。
侘び寂びは、華やかさや新しさの中にはない、静かな美しさ。 時の流れとともに生まれる変化を受け入れ、その中に趣を見出す、日本ならではの美意識です。

その感性は、今も日本の暮らしの中で受け継がれ、国内だけでなく、海外の人々にも魅力として広がっています。
京都を訪れる人々が、この土地の建築や庭に惹かれる理由のひとつも、そこにあるのかもしれません。
しかし、かつては身近にあったはずの「侘び寂びのある住まい」は、時代とともに少しずつその数を減らしています。
だからこそ私たちは、日本人の心が静かに安らぎ、心からくつろげるような住まいをつくっていきたい。
そして、時を重ねることで美しさを増していく建築とともに、この奥ゆかしい感性を、これからの未来へ紡いでいきたいと思います。
tsutsui
