2024.2.21
家づくり

3階建て住宅のメリットとデメリット、後悔しないためのポイント

3階建て住宅は、都市部を中心に多く見られる住宅です。敷地をあまり広く取れない都市部では、2階建てよりも3階建ての方が床面積を多く取れることから、需要が高まっている方法です。

土地の費用を抑えることができるだけでなく、間取りも工夫しやすく、カスタマイズ性にも優れています。

今回は3階建て住宅のメリットやデメリット、こんなはずじゃなかったと思わないための後悔しないポイントも詳しく解説します。

3階建てのメリット

高さのある3階建て住宅には、このようなメリットがあります。

3階ならではの眺望と日当たりの良さ

3階建ての住宅の高さはおよそ10〜13メートルです。2階建てがおよそ6〜7メートルなので、周囲に高い建物がなければかなり遠くまで見渡せる、快適な家づくりができるでしょう。眺望は最高です。

また、最上階は周囲の建物の影響を受けにくいので、日当たりもとても良く、自然光をたっぷり取り入れることができるでしょう。3階建てですと2階にリビングを配置することが多いですが、眺望や風通しの良さを考えるなら3階をリビングにして快適な空間を作るのもおすすめです。

敷地が狭くても床面積を確保しやすく使えるスペースが増える

都市部では、限られた予算内で広い土地を手に入れるのはなかなか難しいことです。しかし3階建てなら、それほど広くない土地でも建物を上に伸ばすことができますから、十分な床面積を確保できます。

2階建てでは、リビングや水回りなど家族みんなが使うスペースの他に作れる部屋の数は限られてしまいます。しかし1階増やすことによって、使えるスペースもぐんと増えます。

また、フロアとフロアの間にスキップフロアを作ったり、ロフトや収納を設けたりすることで、デッドスペースを有効活用することも可能です。1階をビルトインガレージにしてバイクいじりを楽しむ空間にするなど、趣味のスペースを作るのもいいでしょう。狭小地であっても十分な広さを確保できるのが3階建て住宅です。

3階はプライバシー性が高い

3階は周囲から見られにくく、プライバシー性を保てるのも大きなメリットです。

2階のベランダは、ゆっくりしようと思ってもお隣の家から見えてしまうため、視線が気になると思います。3階なら、お隣から見られることもなく、自由にプライベートタイムを楽しむことができます。

屋上をルーフバルコニーにしてしまうのもよいでしょう。夏の打ち上げ花火も自宅から鑑賞できます。

それぞれのフロアを分けて利用することも可能

1階から3階まで、それぞれの目的に合わせて利用できるのも3階建て住宅のメリットです。たとえば、1階は親に住んでもらい、2階と3階は子供たちの世帯にする、二世帯住宅としての利用も可能です。

1階を事務所や店舗とし、2階と3階を住居部分にするという使い方もできます。

3階建てなら水害にも強い

日本は自然災害の多い国ですから、どこに住んでも何かしらの被害に遭う可能性はあります。特に心配なのは、毎年のように起きている台風や豪雨による災害です。近くに川がある地域は、水害に備えなくてはなりません。

仮に浸水したとしても生活に大きな影響が出ないように、1階はガレージに、生活の中心を2階・3階にするなどして対策しておくと、深刻なダメージを受けにくいです。

3階は窓を開けていても虫が入ってきにくい

3階なら、窓を開けていても、虫が飛んで入ってくることは少ないでしょう。

というのも、蚊はハエなどの小さい虫はあまり高いところを飛ぶことができず、せいぜい3階程度の高さまでが体力的に飛べる限界であるといわれているからです。ゴキブリも自力で飛べるのは5メートル程度といわれています。

虫が全く入ってこないわけではないものの、1階や2階と比べると、虫の害は少ないといえます。

3階建てのデメリット

3階建ての住宅眺望が良く、部屋数を増やせる3階建て住宅にもデメリットはあります。高さがあることがデメリットになってしまうこともあるため、事前によく理解しておくことが大切です。

高さ制限や建ぺい率などの法規制に注意する

住宅をどこに建てるかが課題となります。その土地がある地域によって高さ制限があり、思ったような高さの3階建て住宅にならない可能性があります。

また、建ぺい率も地域ごとの制限があります。理想の家を建てたいなら事前の確認は必須であり、希望の高さ、広さを実現できるのか法規制をきちんと調べた上で計画を進めていくことが大切です。

階段の上り下りが負担になる

3階建て住宅は、当然のことながら2階建てよりも階段の数が増えます。部屋への移動には、必ず階段を使うことになるため、たとえば小さいお子さんがいる家庭や高齢者がいる家庭は心配なことが多いかもしれません。

生活動線をしっかり考えておかないと、買い物から帰ってきて重いものをキッチンや納戸まで運ぶのが大変だったり、洗濯をしてから干す場所までの移動が遠くて家事が面倒になったりすることも考えられます。

安全に上り下りができるように手すりをつけるなどの工夫をしたり、小さいお子さんがいる家庭では階段付近に柵などを取り付けて、一人で近づかないようにすることも大切です。

1階と3階で温度差が生まれやすい

縦に長い構造の3階建て住宅は、暖かい空気は3階へ、冷たい空気が1階へ流れやすく、家の中で温度差が生まれやすいのは、デメリットの一つです。

特に1階は日当たりが悪くなりがちなので、家全体の温度をどのようにして一定に保っていくのかが、快適に暮らすためのカギとなります。冷暖房効率が悪いと、光熱費も高くなりがちです。

後悔しない3階建てのポイントと対策

メリットもあればデメリットもある3階建て住宅で後悔しないためには、3階建てならではのポイントを押さえておけば大丈夫です。

いい土地を見つけたら建築規制を真っ先に確認する

土地は、都市計画法によって建てても良い建物の高さや容積率などが決められています。土地の利用法ごとに「用途地域」として12の種類に区分されており、その中でも第一種低層住居専用地域はもっとも規制が厳しい地域です。

一戸建てを建てるのに適した地域ではあるのですが、高さ10メートルまでの低層住宅しか建てられないため、3階からの眺めを期待して家を建てるには適していません。

他にも、斜線制限などがありますので、理想の土地を見つけたらまず3階建てを建てられるのか、法令を確認してください。自治体のホームページで都市計画図を見れば用途地域がすぐにわかるようになっています。

生活動線を考えた間取り作り

階段の上り下りがあるのは仕方がないので、少しでも動きを少なくして家事を楽にしたいところです。どのように移動をすれば負担が少ないか、生活動線をよく考えて間取りを決める必要があります。

たとえば、

  • 洗濯機を置く場所
  • 洗濯物を干す場所
  • 干したものをしまう場所(クローゼット)

をなるべく近くすると、日々のお洗濯がとても楽になります。

また、将来的に階段の上り下りがキツくなった時のことを考えて、エレベーターが設置できるようにしておくのもおすすめです。

断熱性・気密性を高めて冷暖房効率のよい家づくり

温度差の問題は、建物の気密性、断熱性を高めることで解決できます。断熱窓にして、床や壁にもしっかりと断熱材をいれましょう。

1階から3階まで、建物全体で空調や換気を行う「全室空調」というシステムを取り入れるのもおすすめです。部屋ごとの温度差も無くなり、快適に過ごせます。

まとめ

心地の良いバルコニー

3階建て住宅のメリットとデメリットをご紹介しました。高さがあるので、3階からの眺めも良く、自然光もたっぷり取り入れられます。同じ敷地面積でもフロアが多い分、使えるスペースも広く、広い土地を取得するのが難しい都市部でも快適に暮らせます。

一方で、階段の上り下りが大変だったり、1階と3階で温度差が生まれやすいなどの問題もありますが、それは工夫次第で解決できます。

家を建てたい土地を見つけたら建物規制をまずは確認し、ポイントを押さえて計画すれば理想の3階建てを建てることができるでしょう。

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