初心者でも安心!家づくりの基礎知識
一生に一度と考えれば誰でも家づくりは初心者です。
そのため慣れることは難しく、それでも安心して家づくりに取り組める基礎知識を紹介します。
まず、基本的な考えは、理想の暮らしを家づくりで実現することです。基本がぶれなければ、それほど失敗することはありません。
そのためにも自身がどのような家を理想としているのか具体的な考えをまとめる必要があります。
家づくりのプロセスを知ろう
家づくりのプロセスを紹介します。まずは計画段階ですが、自身と家族が相談しながらみんなで要望をリストアップします。
このときに、住宅展示場に足を運ぶなど、イメージを高めておくことも大切です。そして、施工に入る前にしておきたいのが工事手順の確認です。
ゼロからのスタートで住宅引き渡しまでに1年以上はかかる長丁場となります。そして、引き渡し後の確認やメンテナンスにも思いを巡らせなくてはいけません。
家づくりの計画段階
家づくりは誰でも初心者ということを前提にすると、まずは住宅展示場に出向いてモデルハウスの見学をオススメします。
モデルハウスは新しい工法と設備で建てられているので参考になりますし、著名なデザイナーによる間取りや室内空間の傾向なども勉強できるからです。
そして、見学には家族全員で行くようにしましょう。人それぞれ着目点が違いますし、後で相談することで、理想の家づくりのイメージができあがっていきます。
施工と工事の進め方
土地探しからのスタートすると、住宅が完成して住むまでには1年以上かかるのが相場です。
具体的な家づくりの流れと期間は以下のとおりです。
- 予算検討およびイメージづくり
- 土地探しと建築業者選び
- 間取り提案・打ち合わせ
- 工事請負契約
- プランの決定・詳細打ち合わせ
- 着工
- 引き渡し
着工にかかるまでに約半年、そして着工から引き渡しまでが約半年でゼロスタートから1年2ヵ月かかることになります。
着工に入るとペースが速く、見るたびにどんどんできあがっていくイメージです。それだけに、着工までの半年で引き渡し時の家のイメージをしっかりと持つようにしましょう。
施工後のアフターケア
住んでみると、ここはこうしたほうがよかったと思う場面も出てくるでしょう。慣れも必要ですし、どうしても許容できない場合は建築会社に相談しましょう。建築会社側も6ヵ月点検、2年点検などでしっかりとサポートしてくれます。逆にアフターサポートをしっかり明記していない建築会社は最初の業者選びの段階で選択肢から外したほうがよいでしょう。
イッカデザインのサポートページをご覧ください。
理想の土地選びのポイント
家づくりでは、その家をどこに建てるのか立地が重要になります。利便性を最優先にするのか、災害リスクの少なさを優先するのかも考えどころです。
土地の購入予算によって住宅本体の予算を圧迫するかもしれませんし、住宅ローンの負担が大きくなるかもしれません。
かといって、土地選びに妥協したくない気持ちもあるでしょう。ここでは、限られた予算のなかで、理想の土地選びのポイントを紹介します。
周辺環境と利便性を考慮した土地選び
利便性を最優先にするなら、駅近であったり商店街が近くにあったりすれば生活に困ることはないでしょう。歩いて行ける範囲に何でもあるのは理想的な住環境です。
一方で、利便性を追求すると土地価格が高くなってしまいます。特に駅近であればなおさらです。
さらに教育環境を考えると、小中学校が近くにあることが理想です。一昔前までは、日本全国どこに住んでも小中学校に通学はできましたが、統廃合が進む現在では難しい状況です。
土地選びの際、利便性や教育環境は優先度を高めにして考えましょう。
土地の地質と安全性の確認
災害の多い日本国内ではどこに住んでも安全とは言えません。地震はどこでも起こりますし、川の近くでは水害も心配です。
地震が心配でしたら、損害保険会社が設定する地震保険料の安い地域(統計から地震が起きにくい地域)がおすすめです。
再開発地域に指定されているところでは、将来的に立ち退かなくてはいけない場合があります。団地などの区画ではそういった問題はクリアされていますが、街中の道路沿いの空き地などは要注意です。
そういった情報は不動産会社が詳しいので事前に確認しておきましょう。
建ぺい率と容積率
最初に土地ありきですが、気にしなければいけないのは、家の形状です。ある程度家の完成イメージができていると、土地の広さも関係しています。それは建ぺい率と容積率の問題です。
例えば建ぺい率が60%であれば、宅地面積は土地面積の60%以内にしなくてはいけません。
容積率は「述べ床面積」の制限のことです。2階建てにするのであれば、容積率100%で土地100㎡の場合、1階を60㎡で2階を40㎡、述べ床面積を100㎡以下にしなくてはいけません。
建ぺい率も容積率も土地ごとに建築基準法で決められています。あらかじめ確認しておかないと、家の設計や間取りの変更する事態になってしまいます。
予算設定と資金計画の基礎知識
土地を含めた家づくりの費用は年収の5倍以内が理想とされていました。しかし、収入は上がらないのに土地や住宅価格が上がった現在は、年収の5倍以内というのも夢物語になってしまいました。
どこにお金をかけてどこを節約するのか、それでいて満足度の高い家づくりを行う方法を考えなくてはいけません。
ここでは、家づくりの予算の設定と資金計画とローンの選び方を紹介します。
家づくりの予算の相場観
土地も含めた家づくりを考える場合、総額の相場は約4,500万円です。首都圏では5,000万円を超え、地方では4,000万円弱となります。
住宅の代金と土地代の比率は、6:4もしくは7:3程度がよいとされているので、仮に比率を7:3と考えると、住宅代は3,150万円で土地代は1,350万円となります。
地域や住宅の形状や素材などによって上下しますが、相場観として参考にしましょう。
※建売住宅の総額平均は3,605万円で、注文住宅よりも850万円安く購入が可能です。
家づくりはワンストップで
土地は不動産会社に依頼するのが基本です。専門家ですから情報量が違います。依頼するとすれば、土地探しは不動産会社、家づくりは建築会社となります。
一方で、建築会社に土地探しも依頼する方法もあります。建築会社が提携している不動産会社に土地探しを依頼する方法です。
窓口が建築会社に一本化されるので、依頼する側としてはワンストップで対応してくれるメリットがあります。見積もりも土地建物を合算で作成してもらえるので、わかりやすく予算計画を立てやすいのも魅力です。
住宅ローンについて
住宅ローンは変動金利と固定金利のいずれかから選ぶことになります。どちらがお得かは難しいところです。ライフプランも視野に入るので、退職後も住宅ローンの支払いが継続する場合は固定金利のほうが返済計画が立てやすいでしょう。
変動金利はその時の経済情勢に左右されますが、この数十年低金利が続いているので、変動金利制が有利です。
5年ごとの見直しでも上振れの上限が125%と決まっています。また、固定期間を一定期間定めた「固定期間選択型」もあります。
現役世代で退職前にローンが完済、あるいは退職金で残債返済(繰り上げ返済)が可能な方は、変動金利がよいかもしれません。金利が上昇する局面でも、現役中であれば組み直し等で対処できます。
理想の設計プランを描く
家づくりの理想の設計プランの中核にあるのが間取りです。そのためにも家族会議を開いてどのような家にするのかを話し合わなければいけません。
一方で家族の要望をすべて聞いていたら予算がかさみ、動線を意識しない住みにくい間取りになることもあります。
そのため、よいところは取り込みながら余計なものは切り捨てる取捨選択が必要です。誰もが喜ぶ間取りにするか、もっと突き抜けたユニークな間取りにするのか、理想の設計プランづくりには夢が膨らんでいきます。
ライフスタイルに合った間取りの設計
家族構成によってライフスタイルはかなり変わってくるでしょう。ずっと夫婦2人で生活するのであれば、かなりゆったりした間取りのある家づくりができます。将来を見越して平屋にしてしまうのもよいでしょう。
それぞれにプライベートルームを持ちたければ、それなりの間取り設計が必要になりますが家族4人で4LDKの家づくりも十分に可能です。
現役時代は都市部で退職後は地方に住みたいというライフプランだと、リセールバリューのある家づくりで売却資金を新天地の家づくりに充てることができます。
デザインテーマの選定とコンセプト作り
家づくりのデザインで最初に考えたいのは吹き抜けの有無です。吹き抜けがあれば家の中の開放感は抜群で、思った以上に広く感じます。
一方で、見える部分だけが広く感じて、実際は吹き抜けがあることで居住面積が圧迫されてしまいます。
平均以上に大きな家でしたら問題ありませんが、平均的な住宅であれば、家族構成などを考えて吹き抜けを作るかどうか熟考が必要です。
現在は、吹き抜けのある家づくりがトレンドで、それだけで家の中がパッと明るくなります。そして、吹き抜けがあるだけで家のコンセプトがほぼ確定します。将来にも目を向けて、部屋数や収納スペースを確保したうえで吹き抜けの有無を判断するとよいでしょう。
未来を見据えたフレキシブルな設計
将来のことは予測できないという方も少なくないでしょう。家族構成も親の介護が必要で同居するのであれば、将来的なリフォームは必至です。
逆に考えれば、家づくりの際は自由な発想でデザインを考えたらよいことになります。その際は将来を見据えたフレキシブルな設計になることを心がけましょう。
リフォーム時にバリアフリーのスロープを作りたいなら、最初に余裕を持ったデザインにしておくと楽です。
建築会社と上手に付き合う方法
家づくりは間取りや家のデザインなどのアイデアを出して、実際の家づくりは建築会社が行います。
そのため、かしこい家づくりをするには建築会社といかに上手に付き合っていくかが大切になります。そのためには自分自身がよい建て主であることが重要です。
まずは信頼できる建築会社を選ぶこと、そして建築会社とよい関係を築くことです。そのためにもコミュニケーション力が必要です。
契約内容も素通りせずに、しっかり内容のチェックを行って、建築会社と円滑に連絡が取れるようにしましょう。
信頼できる建築会社の選び方
建築会社と一口で言っていますが、工務店や住宅メーカー、デザイン事務所などさまざまです。さらに実際の家づくりとなると、塗装専門や水回り専門、電気工事会社などさまざまな業者が家づくりを行います。
オーナーがそれぞれの業者と交渉するのは大変ですし、専門的な知識がないので難しい面が多いでしょう。そのため、建築会社が窓口になってワンストップで対応してくれると助かります。窓口が一つのほうが信頼関係も構築しやすく、何かあれば相談しやすい風通しの良さもあります。
そのため、ワンストップで対応してくれるのかどうかも選択肢として重要となります。
効果的なコミュニケーションのコツ
家づくりの現場は熟練の職人が関わる場所です。一人ひとりの職人さんと関わることは少ないと思いますが、作業の合間の息抜きのお茶やお菓子の差し入れを行ってみるのもよいかもしれません。
遠慮して最初から断る業者さんもいるかもしれませんが、そういったところからコミュニケーションが広がっていきます。
また、職人さんに直接クレームや苦情をいうのはやめましょう。何か気になることがあれば、担当窓口に相談することで対処しましょう。
契約内容の確認と適切な管理
契約書は正確には、建築工事請負契約のことであり、以下の4つで構成されています。
- 建築工事請負契約書
- 建築工事請負契約約款
- 設計図書
- 工事費見積書
かなり細かく書かれている書類ですが、確認すべきポイントは以下のとおりです。
- 工事スケジュール(着工日、完成日、引渡し日)
- 代金の支払時期と金額
- ローン特約
- キャンセルの際の違約金
- 保証・アフターサービス
- 見積もりと間取りプラン
- 契約不適合責任の明記
それぞれ細かい確認が必要ですが、特に日付は、○年○月○日まで記載されていることを確認しましょう。日付が曖昧だと工期遅れの違約金などの判断が難しくなります。
他の項目もしっかり確認するようにしましょう。
住宅ローンの基本を理解する
住宅ローンの基本を考えます。30年あるいは35年ローンなど住宅ローンの返済は長丁場になります。退職時に繰り上げ返済をするケースも少なくないでしょう。
とはいっても退職金が目減りするなか、老後の資金の確保も必要です。そのため老後のこと将来のことを考えた住宅ローンを組むことが大切です。
ここでは、家づくりと住宅ローンの流れ、返済計画の立て方と注意点、金利交渉と借り換えのテクニックなどを紹介します。
家づくりと住宅ローンの流れ
住宅の引き渡し、すなわち新居に住み始めて融資が行われます。そのときから住宅ローンの支払いがスタートするのです。
とはいっても、家づくりの着工の際には土地の購入が済んでいることが条件です。土地の購入を現金で支払っていれば問題ありません。
一方で、多くの場合、土地購入代金のいくらかも住宅ローンに組み込まれていることでしょう。そのため、土地購入と同時につなぎ融資あるいは分割融資と呼ばれる支払いがスタートするのが一般的です。そのため、融資する銀行による事前審査から正式審査及び融資契約手続きはすでに完了していることが条件です。※土地先行融資とも呼ばれています。
返済計画の立て方と注意点
住宅ローンで月々の返済額を決めなくてはいけません。月々の返済額を少なめにしてボーナスで多く支払うのか、ボーナスをあてにしない月々払いのみにするなど、支払い方法に悩むことでしょう。
また、返済の途中で定年を迎える場合には返済計画の見直しも退職前に考えたほうがよいでしょう。ローンの組み直しや繰り上げ返済など、様々な方法があります。
理想は無理のない返済計画を立てることで、できるだけ頭金を大きく投入することが望まれます。ただし、今後の生活を圧迫しないようにしなくてはいけません。
金利交渉と借り換えのテクニック
変動金利あるいは固定金利となるので、融資を受ける銀行とは基本的に金利交渉はできないと考えたほうがよいです。
それでも、金利が仮に1.45%であれば、それが1.44%になるだけで、総返済額が数十数百万円単位で変わってきます。
テクニックとしては、「他行で借り換えを検討しているが、金利をいくらか下げてくれたらこのまま継続したい」と言ってみることです。※厳密には継続ではなく組み換えになります。
借り換えは有効な手段で多くの方が、よりお得となる借り換えローンを行っています。そのときの前交渉として現在住宅ローンを組んでいる銀行に金利交渉を持ちかけます。
銀行も競争の時代で、金利交渉に成功した例も多数報告されています。やってみる価値はあるでしょう。
まとめ
家づくりは家族総出の総力戦です。施工業者との良好な関係を築いて、家づくりを完遂しましょう。家族全員が住みやすく、帰ったらホッとするような安らぎのある家づくりが理想です。
土地探しから間取りのデザイン、予算計画、引き渡しからの生活、住宅ローンの支払い、メンテナンスやリフォームなどさまざまなイベントが待ち受けています。
誰もが家づくりは初心者であり初心者で終わることが大半ですが、わからないことは曖昧にすることなく、助言を得ながら解決し、家族全員の人生を彩る理想的な家づくりを実現しましょう。
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