注文住宅の費用の相場は?予算内で理想の家を建てるポイントまとめ
世界にひとつの理想の家を建てたい、そんな希望をお持ちの方に人気なのが注文住宅ですが、こだわり始めるとキリがありません。あっという間に予算オーバーということもありますので、今の予算で無理なく建築できるのか、不安な人も多いと思います。
注文住宅を建てるには、家の建築費用以外に土地の購入費も必要になるケースがほとんどです。予算内で収めるためにはどこに土地を買うのかというのも重要なポイントとなってきます。
そこで今回は、注文住宅を建てるにはどのくらいの費用が必要なのか、その内訳を見るとともに、費用を抑える方法についてもお話しします。
目次
全国のデータから注文住宅の相場を知る
国土交通省の「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」から、注文住宅を購入する上での費用に関するデータを見てみます
土地の取得については購入した人が63.8%、平成30年度からの推移を見ても、およそ65%前後が購入しています。もともと土地を持っているところに家を建てる人よりも、土地を購入した上で注文住宅を建築する人が多いということがわかります。
では購入した場合の資金ですが、実際どのくらいの支払いをしたのか、全国平均と三大都市圏の金額を見てみましょう。
住宅建築資金 | 土地購入資金 | 住宅+土地 | |
---|---|---|---|
全国 | 3,935万円 (1,177万円) |
1,819万円 (712万円) |
5,436万円 (1,665万円) |
三大都市圏 | 4,504万円 (1,467万円) |
2,626万円 (1,054万円) |
6,787万円 (2,365万円) |
※カッコ内は自己資金の金額
注文住宅の建築だけならおよそ4,000万円、頭金1,200万円〜1,400万円ほど必要なことがわかります。
購入資金の調達にあたっては、住宅ローンを組む人が78.6%と、およそ8割の人がローンを組んでいます。返済期間の平均は全国平均が34.5年、三大都市圏平均が34.2年となっています。
ちなみに、民間の金融機関に融資を申し込んで断られたケースもあります。全国では14.6%、3大都市圏では15.4%の人がローンは断られています。
注文住宅にかかる費用の内訳
では、注文住宅を建築するにあたってどのような費用が必要になるのか、内訳も見てみましょう。
土地を持っていない場合は土地の取得費用がかかる
土地を相続した場合などを除き、注文住宅を建てる前にまず土地を購入しなくてはなりません。土地の費用はエリアによってかなり左右されますが、先ほどのデータから平均値を見ますと、およそ2,000万円〜2,500万円程度必要であることがわかります。
特に、東京都内など地価の高い場所で土地を購入する場合には、費用が高額になる傾向があります。郊外であっても、都心へのアクセスが良いエリアや、駅に近い、周辺地域の設備が整っているなど暮らしやすいエリアは価格も高めです。
さらに、土地の状態によっては地盤を整える費用等が必要になる場合があります。その他、不動産会社への仲介手数料や登記の費用などの諸費用がかかります。
家の建築費用
最も費用がかかる部分が、家の建築費用です。
【本体工事費】
- 仮設工事費
- 基礎工事費
- 内装仕上げ費
【付帯工事費】
- (必要に応じて)地盤調査と土地の改良工事費
- 外構工事費
- ガス工事費
- 屋外の給排水工事費
建物の建築費用は主にこの2つに分かれますが、費用の7割から8割を本体工事費が占めています。
付帯工事費ですが、ハウスメーカーによっては空調設備の取り付け工事や照明器具の工事などが含まれる場合もあります。これらの費用が含まれるか含まれないかによっても総額が変わってきますので、必ず確認すべきところです。
大手ハウスメーカーよりも工務店の方が費用を抑えられる傾向にあります。大手ハウスメーカーはテレビCMなど広告に費用をかけていたり、モデルハウスや住宅展示場の運営にコストがかかるため、費用が高くなりがちです。
その点、地域密着型の工務店は、余分な広告費などをかけていないため、その分ハウスメーカーよりも安くなる傾向にあります。ただし、大手ハウスメーカーは設備や部品の大量生産によってコストを抑えている部分もありますので、間取りや家の構造によっては費用を抑えられる場合もあります。
ですので、見積もりを出してもらった時に内訳を詳しく見ることが大切です。
購入に関する手続きや税金などの費用
土地を購入したり、家を建築する際にかかる税金、登記の手続きの費用等の諸費用も忘れてはなりません。注文住宅にかかる費用の全体の1割から2割を占める部分となります。
注文住宅を建築するにあたっては、
- 登録免許税
- 司法書士への報酬
- 不動産会社への仲介手数料
- 火災保険等の各種保険料
- 印紙税
などが必要です。
家の建築費用ばかりに目がいっているとうっかり忘れがちな点ですので、気をつけてください。
予算から考える、注文住宅の購入のためのポイント
国土交通省のデータを見ると、注文住宅を建てるには土地の購入費も含めて5,000万円も必要なのか…と思われそうですが、先ほどのデータはあくまでも平均です。
自己資金やローンが組める金額など、予算から考えていくこともできます。
建物はどのくらいの部屋数や広さが必要か
「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると、注文住宅の延床面積は、全国平均で125.9平方メートル(約38坪)、三大都市圏平均で134.2平方メートル(約40坪)です。
住宅建築費の全国平均3,935万円を38坪で割ると、坪単価は103万円、三大都市圏の方は4,504万円に対して40坪なので坪単価は112万円です。
では、この坪単価で、30坪の家にするなら費用はどうなるでしょうか。
- 全国平均:3,090万円
- 三大都市圏:3,360万円
40坪から30坪になると、1,000万円近い差が出ることがわかります。これだけの差が出る部分ですので、家族の人数やライフスタイルに応じた適切な部屋の数、家の広さを決める事は非常に重要なポイントとなります。
予算が不足している場合は、延床面積を狭くし、その分間取りによって家を広く見せる工夫などをすれば、予算を抑えつつ理想の家を建てることができるでしょう。
土地を購入する場合はどのくらいの広さが必要か
注文住宅を建てる際に、最初から土地を持っている人が少なく、ほとんどの人が土地の購入が必要になります。土地の広さは、建てた家の広さや形が決まってから考えます。家が30坪なのか40坪なのか、建ぺい率がどのくらいかなど、条件によって必要な土地の広さが違ってくるからです。
また、駐車場をつけるのか、庭の広さをどうするのかなど家の周りの施設によっても必要な土地の広さが変わります。まずは建てたい理想の家の形大きさを決め、それからその家を建てるための土地の広さを決定します。
どのエリアに土地を購入するか
およその土地の広さ、形が決まったら、実際どこのエリアに土地を買うのか考えていきます。
同じ広さの土地でも、都心に近いところなのかそれとも郊外なのかによって、エリアによって土地の価格はかなり違ってきます。費用を左右する重要なポイントですので、通勤・通学の条件と予算とのバランスをよく考えていかなくてはなりません。
- 駅から徒歩5分以内
- 最寄駅が急行が止まる駅
- 商業施設が近く買い物が便利
- 通勤・通学に便利
などの条件が揃っていると地価が高くなりがちです。
住宅の建築費用と土地の購入資金は2:1〜3:1くらいのバランスになりますが、どこに土地を買うかによって土地の購入費の割合がぐんと上がってしまう場合があります。予算内で収めるためには、土地の大きさだけでなくどのエリアに購入するかという点が非常に重要になってきます。
こだわりたい点を絞ることが大事
注文住宅を建てようと思う人は、家に対する理想が高く、こだわりたいポイントもたくさんあると思います。しかし、そのこだわりを全て詰め込もうとすると予算をオーバーしてしまうでしょう。
妥協はせずに、予算内で理想の家を建てたいなら、本当にこだわりたいポイントはどこなのか、しっかりと優先順位をつけて絞っていくことが大切です。
注文住宅の費用を抑える方法
建築費用を予算内に抑えつつ、理想の家を建てるためのポイントをお話しします。
ハウスメーカー選びが最重要課題
注文住宅の建築をどこに依頼するのか、これが最大のポイントです。
坪単価を比較するのも重要ですが、その坪単価に何が含まれているのかをきちんと確認してください。建物の建築費のみなのか、それとも照明やインテリア等の費用も含まれているのかによって、総額が違ってくるからです。
- 希望のデザインを取り入れることができるか
- こだわりたい設備を導入できるか
- アフターサービスはどうなっているか
などを比較出来るように、同じ条件で見積もりを依頼してみてください。
複数の会社に見積もりを依頼すると、費用にかなりの差が出ると思います。何がどう違うのか、内訳をよく確認しましょう。そのうえで、坪単価だけで決めるのではなく、どんなことでも相談できるのか、信頼できる担当者がいるのかなども含めて納得がいくハウスメーカーに依頼をしましょう。
オプションを厳選する
注文住宅は基本の建築費以外に様々なオプションが用意されているものが多いです。そのオプションによって建築費が変動します。つい、あれこれつけたくなってしまうと思いますが、予算内に収めるためにはオプションを厳選することが大切です。
こだわり始めるとキリがない!プロにアドバイスをもらうことも大事
注文住宅の良さは、世界に1つだけの自分のこだわりを詰め込んだ家を建てられることです。しかし、予算がありますから、すべてのこだわりを詰め込む事は難しいでしょう。そのような時、どこを残してどこを諦めるのか、プロのアドバイスを聞くこともとても大切です。
ほとんどの人は家を建てるのがはじめての経験ですが、注文住宅のプロはこれまでたくさんの個性ある住宅を見てきています。施主が満足しているケースもあれば、そうでないケースもきっとあるでしょう。どんな点で後悔しているのか、リアルな声を聞けるはずです。
こうしておけばよかったと後悔しないためにも、予算内でできるだけ理想の家に近づけら得るよう、プロのアドバイスを取り入れていきましょう。
まとめ
注文住宅の費用の相場は、建物が4,000万円前後、土地の取得が2,000万円前後で、5,000万円〜6,000万円ほどかかります。そのうち自己資金は1,000万円〜2,000万円です。
建物の広さやどのような設備を取り入れるのかによって費用がかなり違ってきます。土地も購入する場合は、どのエリアかによっても大きな差が出るところです。まずは建物の広さや形を決め、それから土地の広さが決まります。その後に、予算内で購入できるエリアを考えてみます。
同じ広さの家を建てるにしても、ハウスメーカーによって価格が違ってきますので、複数の会社に見積もりを依頼して、内訳をよく比較してください。予算内でできるだけの理想を詰め込めるよう、プロのアドバイスも聞きながら建築計画を進めていきましょう。
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