2025.2.26
土地探し

旗竿地購入で後悔しないために!家を建てる前に知るべきポイント

旗竿地とは、細長い通路(竿部分)の先に広がる敷地(旗部分)を持つ独特な形状の土地を指します。その特徴的な形状から、使いづらいと思われがちですが、土地価格が比較的安価であるというメリットもあります。

どのような土地でも、どのような家を建てたいのか、目的がはっきりしてこそ、その形を生かせるものです。旗竿地も、確かに形は独特ですが、使い方次第で暮らしやすい家を建てることは可能です。

そこで今回は、旗竿地のメリット・デメリットを詳しく解説するとともに、購入や建築の際に後悔しないためのポイントを紹介します。旗竿地の特性を正しく理解し、理想の住まいを実現するための参考にしてください。

旗竿地で後悔したこと6つ

実際に旗竿地で家を建てた人の口コミを見ますと、以下のような点で後悔を感じている人が多かったです。

建築コストが割高になってしまった

旗竿地は通常の整形地と比べて建築時に追加費用がかかるケースが多いです。特に以下のような要因がコスト増加につながります。

  • 重機が入りにくい:敷地への搬入経路が狭いため、大型重機を使えず、小型機械や人力での作業が必要になり、その分人件費がかさむ
  • 資材の搬入コスト:通常の道路に面した土地に比べて、建築資材の運搬が難しく、手作業での搬入費用が発生する
  • 基礎工事のコスト増:地盤の状態によっては追加の補強工事が必要になる場合があり、特に狭い旗竿部分の形状によって施工の難易度が上がることもある
  • インフラ整備費用:電気・ガス・水道の配管工事が通常より長くなり、追加費用が発生する可能性がある

建築を開始するときになって追加費用が発生しないよう、追加費用がどこで発生しやすいかを把握し、コスト削減策を検討することが大切です。

日当たり・風通しが悪かった

旗竿地は周囲を建物に囲まれやすく、特に「奥まった位置」に家を建てるため、日照や通風に課題が生じやすいです。

両隣に建物があるため、直射日光が入りにくくなりますし、隣家の視線や防犯上の理由から、大きな窓を設けづらいのが旗竿地のデメリット。竿部分が狭い通路となり、風の流れも悪くなりがちです。

車を入れるのが大変だった

旗竿地の竿部分は通路としての役割があり、ここが狭いと駐車のしづらさにつながります。大きな車では駐車時に何度も切り返しが必要になりますし、奥の敷地に駐車スペースを作る場合は、方向転換が難しいです。

また、車高がある車だと、周囲の建物や電線とのクリアランスに注意が必要なので、小回りの利く車を選ぶなど、車両選びにも気を配る必要があるでしょう。

郵便ポストが遠かった

旗竿地は道路から家までの距離が長くなるため、郵便ポストの設置場所に困るケースが多いです。

玄関にポストを設置すると、郵便配達員が奥まで入る必要があり不便ですが、道路側に設置すると、住人が郵便物を取りに行くのが面倒になります。

ポストだけでなく、宅配ボックスの設置場所にも悩みます。特に大型荷物は、できれば玄関先で受け取りたいものですから、配達の人には申し訳ないですが、宅配ボックスとポストを一体化したものを玄関近くに設置した方が良さそうです。

セキュリティに不安が残った

旗竿地は奥まった場所にあるため、人目につきにくく、不審者が侵入しやすいというデメリットがあります。また、玄関の位置によっては、万が一の際に逃げ道が少ないのも不安要素です。

なかなか売却できなかった

旗竿地は市場価値が通常の整形地より低く、買い手が見つかりにくい傾向があります。どうしてもデメリットばかりが目についてしまい、整形地と比べると人気は低めです。

接道状況が悪いなど、周囲の環境によってはさらに価値が下がるため、売りたいときに売れなくて困ったという声も見られました。

旗竿地のメリット

そうはいっても、旗竿地にもメリットはあります。デメリットばかりではありませんので、メリットを生かしていきましょう。

正方形や長方形と比べて価格が安い

旗竿地は「不整形地」に分類されるため、一般的な正方形や長方形の整形地と比べて、土地価格が割安になることが多いです。旗竿地というだけで敬遠されがちなので、売主が価格を下げる傾向にあることも、安値となる要因のひとつです。

予算が同じなら、整形地よりも広い面積の土地を購入できる可能性が高いですから、人気エリアで土地を探している人や、広い敷地を求める人にとって大きなメリットになるでしょう。

人目につきにくくプライバシーが確保できる

旗竿地は道路から奥まった位置に建物が配置されるため、通行人や隣家からの視線を遮りやすく、プライバシーを保ちやすいです。道路に面している部分が「竿」なので、リビングや寝室が直接見られることがありません。

玄関やリビングが道路に面した整形地では、外を歩く人と目が合ってしまうこともありますが、旗竿地ならリラックスできる空間を確保しやすく、生活の質が向上します。庭やウッドデッキでバーベキューや趣味も楽しめるでしょう。

子供を安全に遊ばせられる

旗竿地は奥まった場所にあるため、子供が安心して遊べる環境を作りやすいのが魅力です。道路から少し離れていますから、遊んでいる途中に子供が道路に飛び出して事故に遭うリスクが少ないです。

旗部分が広い場合、庭や遊び場を作りやすく、子供が遊んでいる様子を外部から覗かれることもありません。旗竿地の敷地内に砂場や家庭用プールを設置したり、トランポリンやブランコを置いて自宅で安全に遊べる環境を作れるのは大きなメリットです。

固定資産税が安い

旗竿地は「不整形地補正」が適用されるため、整形地よりも評価額が低くなりやすく、その結果として固定資産税も安くなるケースが多いです。同じエリア内で税額を比較すると、整形地よりも年数万円単位で安くなることもあります。

固定資産税は毎年払わなくてはいけないものですから、長期的に見ると大きな節約となるでしょう。浮いたお金をリフォームや趣味に使うことで、より充実した生活が可能になります。

旗竿地で後悔しないためのポイント

旗竿地は価格の安さやプライバシーの確保といったメリットがある一方で、日当たりや駐車スペースなどのデメリットも存在します。しかし、事前にしっかりと対策を講じることで、旗竿地のデメリットを最小限に抑え、快適な暮らしを実現できます。

間取りを工夫して日当たりと風通しを確保する

旗竿地は奥まった位置に建物が配置され、隣接する建物によって日差しや風の通りが悪くなりやすいのが難点です。しかし、間取りの工夫次第で解決できます。

【具体的な工夫例】

  • 吹き抜けや天窓を取り入れる:屋根部分に天窓を設けたり、リビングを吹き抜けにすることで、上からの採光を確保する
  • L字型やコの字型の間取りにする:建物をL字型やコの字型に配置すると、中庭や小さな庭を作ることができ、そこから光や風を取り入れられる
  • リビングや寝室は南向きや東向きに配置:日中長く過ごすリビングや寝室を日当たりの良い方角に設置することで、自然光を最大限に活かせる
  • 風の通り道を設計する:玄関や廊下などの「竿部分」と建物内の窓を直線上に配置することで、風の通り道を確保できる

将来の売却も考えて資産価値の高いエリアを選ぶ

旗竿地は整形地と比べて売却しにくいと思われがちですが、エリア選びや土地の条件次第では、資産価値を維持しやすくなります。

  • 駅近・交通アクセスの良い立地
  • 商業施設や学校、病院が近い
  • 開発計画や再開発が進んでいる地域

などです。

徒歩10分以内で駅にアクセスできる立地や、複数路線が使える場所は人気が高いですし、スーパーやコンビニ、ショッピングモール、学校、病院が近いエリアは生活利便性が高く、子育て世帯や高齢者に人気です。旗竿地であっても便利な立地なら買い手がつきやすいです。

また、新駅の開業や再開発が予定されているエリアは、将来的に地価が上昇する可能性があります。事前に自治体の都市計画を確認しましょう。

防犯対策をしっかりする

旗竿地は奥まった場所にあるため、人目が届きにくく、防犯面で不安を感じることがあります。しかし、事前の防犯対策で安心できる住まいにできます。

【効果的な防犯対策】

  • 人感センサー付きライトを設置
  • 防犯カメラを設置
  • しっかりした門扉やフェンスを設ける
  • スマートロックや二重ロックを導入

など。

竿部分の通路や玄関、庭に人感センサー付きのライトや防犯カメラを設置することで、不審者の侵入を未然に防げます。夜間に誰かが近づくと自動でライトが点灯するため、防犯効果が高いです。最近では、スマホで映像を確認できるWi-Fi対応の防犯カメラも手軽に導入できます。

間口が3メートル以上あると安心

旗竿地を選ぶ際に特に重要なのが間口の広さです。間口とは「道路に接している敷地の幅」のことで、この幅が狭いと駐車がしにくい、緊急車両が入れないなどのデメリットが生じます。万が一の時に、救急車や消防車が入れないと大きな問題です。

一般的な乗用車の幅は1.7m〜1.9mほどです。間口が2.5m程度だと駐車時に何度も切り返しが必要になることもあります。3m以上あれば車の出し入れがスムーズで、ストレスなく駐車できます。

建築資材や引っ越しの荷物搬入の際にも、間口が狭いとトラックが入れず、余計なコストがかかる場合があります。間口が広い旗竿地なら、建築時のコスト削減や、引っ越しのしやすさにもつながります。

まとめ

旗竿地は、一般的な整形地と比べて価格が安く、プライバシーを確保しやすいというメリットがある一方で、日当たりや駐車のしにくさ、防犯面の不安などのデメリットもあります。しかし、事前の対策や工夫次第で、後悔するリスクを大幅に減らすことが可能です。

間取りの工夫で採光や風通しを確保すること、防犯対策を万全にすることなどで、快適で満足度の高い住まいは実現できます。旗竿地を検討している方は、事前の対策をしっかりして、後悔しない土地選びをしてください。

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