2023.5.29
家づくり

平屋のメリット・デメリット〜若い世代にも人気の平屋の魅力

平屋は上の階に行ったり来たりすることなく、歳をとってからでも住みやすいと、割と高い年代の人に人気がありました。しかし最近では、若い人でも平屋を希望する人が増えています。

たしかに、平屋は開放感もありますし、階段がないことから事故も少なく、家の中の移動も楽です。

しかし、メリットばかりに目を向けていると、思わぬ落とし穴があることも。デメリットがないわけではないので、その点を理解してから計画を進めることが大切です。

平屋の魅力をお伝えするとともに、メリット・デメリットについて詳しくお話しします。後悔しない家づくりの参考にしてください。

平屋の特徴はすべての部屋が1階にあること

平屋とは、一階のみの住宅のことをいいます。キッチン、浴室なども含め、すべての部屋が同じフロアにあります。家の形はさまざまで、正方形・長方形といったオーソドックスなものから、コの字形やロの字形など個性的な建物も多くみられます。

昔の日本家屋は平屋が中心でしたから、和風の家を想像する方も多いと思います。しかし最近の平屋は多種多様になっており、デザイン性も格段に高くなっています。間取りの自由度も高いことから、若い世代からも支持されているのでしょう。

平屋のメリットは丈夫な構造で移動も楽なこと

階段がなく、同じフロアに全ての部屋が収まっている平屋は、移動が楽であるほか、丈夫で災害に強いのも大きなメリットです。

階段がない分アクシデントが少ない

階段があれば、落ちたりつまづいたりと、さまざまな事故が起きやすいです。小さなお子さんだけでなく、年配の方にとっても危険です。階段がない方が事故は少なく、誰にとっても暮らしやすいでしょう。

子供がいなくても、将来的に自分が年齢を重ねたときにバリアフリー住宅にすることを考えるなら、二階建てよりも平屋の方が便利です。

家の中の移動が平面だから楽

2階建ての場合、洗濯機と洗濯物を干す場所が同じフロアにあれば良いのですが、洗濯機は1階、物干し竿は2階にある、となると洗濯のたびに行ったり来たりが大変です。また、2階の掃除をするのに重い掃除機を持って階段を上り下りしなくてはなりません。若いうちは良いですが、足腰が衰えてきたときには辛くなるでしょう。

その点、平屋は全てがワンフロアにありますので、移動は平面のみです。階段の上り下りという苦行がありません。買い物から帰ってきたときに荷物をキッチンに運び入れたり、洗濯機から物干し竿まで洗濯物を運んだりするのも、家事動線をしっかり考えた間取りにすれば、移動がスムーズになりとても暮らしやすいです。

安定した構造で自然災害に強い

平屋の建物は安定した構造で、2階建てや3階建てよりも地震や暴風雨、台風などの自然災害に強いとされています。1階しかなく上の階を支える必要がないので、当然といえば当然ですが、地震の揺れによる影響が少なく、耐震性も高いです。

建物は高いほど風の影響も受けやすいですから、台風の通り道である沖縄では重心が低く安定した平屋が多いのです。ですから、地震や台風の被害が多い地域に住むなら、平屋の方が安心できるでしょう。

屋根や外壁のメンテナンス費用が抑えられる

住宅は一般的に10〜15年ほどで修繕が必要になってきます。平屋はそのメンテナンス費用が少なくて済む可能性があります。

2階建て、3階建てとなると、その分建物の表面積は大きくなります。つまり、外壁などメンテナンスをする部分が平屋と比べると多くなるということです。階数が多いと高い足場を組むなど修繕工事にも手間がかかりますから、工事費も割高になります。

平屋の修繕にも足場は必要ですが、2階建てほどの高さは必要ありません。修繕する部分も少なくなりますから、修繕費を抑えられるのです。

家族との距離が近くなる

間取りしだいですが、2階建ての場合、子供が帰宅した時に玄関からまっすぐ階段→自室と行かれてしまうと、親が1階のリビングにいても顔を合わせるタイミングを失ってしまうかもしれません。

その点、平屋なら同じフロアにすべての部屋がありますから、家族の距離が近くなります。自然とリビングに集まったり、声をかけやすくなったりするので、家族のコミュニケーションもとりやすいというメリットがあります。

平屋のデメリットは日当たりや防犯の不安

日当たりがよくない窓辺
広い間取りで快適に暮らそうと思ったら、それなりに広い土地が必要となる、土地が密集している地域では日当たりが心配など、デメリットもあります。しかしデメリットは、対策さえ講じておけば問題ありません。

広い土地が必要になる

家を建てるときは建ぺい率がありますから、たとえば100坪の土地があっても100坪の家を建てられるわけではありません。建ぺい率が50%なら、建てられるのは50坪の家です。2階建てなら1階、2階、それぞれ50坪で合計100坪の家を建てることは可能です。しかし平屋で100坪の家を建てようと思ったら、それよりも広い土地がないと難しいのです。

しかも、土地が広いほど固定資産税も高くなります。延床面積が同じ建物だとしても、平屋と2階建てを比べれば、平屋の方が税金は高くなります。

それでもなるべく広い家を建てたいと思うなら、建ぺい率が高い土地を探します。自治体の用途地域によって建ぺい率が違いますので、土地を購入する前によく調べて比較してください。

▼こちらの記事も参考にしてください。
平屋を建てるために必要な坪数は?快適に暮らせる土地の広さの目安

工事費が高くなるケースもある

なんとなく、平屋よりも2階建ての方が建築が大変そう、お金がかかりそうだというイメージがありませんか?実は必ずしもそうとは限らないのです。

たとえば50坪の2階建てと100坪の平屋は、単純に比べると延床面積は同じです。しかし1階部分(基礎工事部分)を比べると、平屋は2階建ての2倍になるわけです。建築費用の坪単価を算出する際、基礎工事にかかる金額の方が高くなりますので、結果として2階建てよりも平屋の方が建築費用が高くなるケースがあります。

工事費を少しでも抑えるためには、

  • シンプルなデザインの外観にする
  • 部屋数を減らす
  • 浴室、トイレ、キッチンなどの水回りをなるべく一箇所にまとめる

などの工夫ができると良いでしょう。

部屋数が多いとその分、壁や廊下が増えますのでコストもかかるのです。子供部屋は人数分作らずに、仕切りで分けるようにすれば間取りもシンプルになります。

周辺環境によっては日当たりや風通しが悪くなる可能性がある

少し郊外に行けば、周りに何もない土地が見つかるかもしれないですが、都市部に建てる場合には周囲の家の高さによって風通しや日当たりが悪くなるかもしれません。特に冬場の日当たりには注意が必要です。ただでさえ日照時間が短いので、昼間に効率的に採光できるようにしたいものです。

ロの字形にして中庭を作ったり、コの字形にして開放感のある作りにすると、風通しも日当たりも良くなります。また、日当たりの問題は、窓を大きくする、天窓を配置するなどの工夫でも解決できます。

防犯面の対策が必要

2階以上なら泥棒が入らないというわけではないものの、1階の方がどうしても侵入されやすい傾向にあります。以下のような防犯対策を施しましょう。

  • ドアや窓など侵入されやすい部分に人感センサーつきのライトをつける
  • 防犯カメラを設置する
  • 防犯ガラス、またはガラスに防犯フィルムを貼る
  • トイレや浴室は格子付きの窓にする
  • 窓に補助錠を取り付ける
  • 防犯シャッターを取り付ける
  • 踏むと音がする防犯砂利を敷く

また、日頃から近所付き合いを密にしておくことも、有効な防犯対策になります。

水害時の浸水に注意

平屋は、風や揺れには強いものの、水害があった際のダメージが大きいです。近くの川が氾濫したり、川がなくとも水はけの悪い土地ですと、大雨や台風によって浸水する可能性もあります。平屋は上の階に逃げるわけにもいかないので、浸水した場合に住む場所がなくなってしまいます。

ですから、土地を選ぶ時に水害のリスクができるだけ低い土地を選ばなくてはなりません。ハザードマップなどを確認しながら、浸水が起きない場所を選びましょう。

まとめ

憧れの平屋住宅は、年配の人だけでなく若い人の人気も高まっています。階段を上り下りする必要がないので移動が楽ですし、家族が同じ空間にいるという安心感もあります。

一方で、建てる場所によっては日当たりや風通しの心配があったり、防犯面の不安もありますが、工夫次第で解決できる問題です。

2階建てと比べると高くなりがちな建築コストも、外観をシンプルにしたり部屋数を減らすなどの工夫で少しでも下げることは可能です。デメリットをメリットに変えながら、理想の平屋を手に入れましょう。

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