2024.1.11
家づくり

中庭のメリット・デメリット、快適に暮らすためのポイントを紹介

中庭のあるおしゃれな家に憧れるけれど、家が狭くなるなどのデメリットが気になるという人も多いのではないでしょうか。

中庭があると、家にいながら身近に自然を感じることができ開放感が増す一方、定期的なメンテナンスも必要になるため、維持費や手間も発生します。

建てた後に「こんなはずじゃなかった…」とならないようにするためにも、メリットだけでなく注意するポイントについて理解を深めておきましょう。

中庭のある家づくりにはコツがあります。不安を解消し、中庭のある快適な家づくりのための参考にしてください。

中庭とは?

中庭とは、建物の内部にある庭のことです。

  • ロの字型
  • コの字型
  • L字型
  • 町屋型

などがありますが、一般的にはロの字型をイメージする人が多いのではないでしょうか。周囲は壁で覆われていますが、屋根はありません。

セキュリティやプライバシーを守れるといった点から、都市部で人気のあるお庭の形です。

中庭のメリット

中庭はあるとプライベート空間を確保できる上、開放感も感じられる、といったメリットがあります。詳しく見ていきましょう。

外からの光を取り入れやすい

中庭には天井がありませんので、たとえ周囲に高い建物があったとしても太陽の光を十分に取り込むことができます。

都市部は住宅が密集していることから、周囲の建物が高くなくても、家の外側から採光することが難しい場合も多いです。

また、家を建てたときには周囲にそれほど高い建物はなかったのに、いつしか自分の家よりも高い建物が建ってしまい、日当たりが悪くなってしまったというケースがよく見られます。

中庭があると家の中心から各部屋へと日光を取り入れることができます。家の向きや場所にかかわらず家全体を明るくすることが可能です。

ですので、日当たりが悪くなってしまったあとに、中庭にリフォームする人も増えています。

部屋が広く感じる

中庭は外へとつながる空間ではあるものの、中庭を一つの部屋としてとらえることにより、家全体が広く感じるようになります。たとえばリビングの窓を大きくすれば、部屋と中庭の空間につながりができます。

また、ウッドデッキやテラスなどを作り、部屋と中庭の高さを同じにすると、部屋との一体感が出ますので、空間がより広く感じられるようになります。

たとえ部屋が狭くても、窓の外を見ればいつでも中庭の明るさを感じられる、開放的な空間を作ることができるでしょう。

住宅が密集している地域では、窓の外を見ても、見えるのは隣の家の壁ということも多いです。しかし中庭を緑でいっぱいにすれば、都会にいながら自然の中にいるような感覚でゆったりと暮らすことができます。

外からの視線を気にしなくて済む

庭が道路に面していると、どうしても車や通行人の目が気になります。庭でゆっくりしたいと思っても、人通りのある時間帯ではなかなかリラックスもできません。

その点中庭なら、建物の中にありますから、人目に触れることはありません。ロの字型の中庭は完全なプラベート空間になりますので、ゆっくりすることはもちろん、洗濯物などを干す時も誰にも見られないのが安心ポイントです。

コの字型やL字型ですと庭の一部が外に面していますので、完全なプライベート空間にはなりませんが、それでも一部は外からの視線から隠れる部分があります。誰からも見られたくない人はロの字型がおすすめですが、プライベートを確保しつつ、開放感も欲しい人はコの字型もおすすめです。

セキュリティ面でも安心できる

外からの視線が気にならない空間は、セキュリティの面でも安心できる場所となります。道路に面していないので外から侵入しづらく、夜、窓を開けて寝ても安心です。

夜に洗濯物を干しっぱなしにしておいても、盗まれる心配もないでしょう。

子供の遊び場にも最適

中庭は、子供の遊び場としても最適な場所です。家の前の道で遊ぶと、車との接触が心配ですし、不審者が近寄ってくるかもしれないという不安もあります。子供だけで遊ばせるには何かと心配ごとが多いです。

中庭であれば、子供が道路に飛び出して車に轢かれる心配もなく、一人でどこかへ行ってしまうのではないかと常に視界に入れておかなくてはならないということもありません。

子供用のプールで遊ぶ時も、不審者に見られる心配もないでしょう。中庭は、子供を安全に遊ばせる場所としてもおすすめです。

趣味を楽しむ空間にできる

中庭でガーデニングを楽しめば、家の中にいながら緑あふれる空間を感じることができます。日曜大工をしたり、バーベキューやお茶を楽しんだり、休みの日に思い切り趣味を楽しむ空間としても活用できます。

夏にはテントを張って、キャンプを楽しんでもいいですね。遠くへ行かなくても、アウトドアのレジャーを楽しめるのが中庭の良いところです。

中庭のデメリット

明るくて広く見える中庭にも、デメリットはあります。ただ、どのような点に注意すれば良いのかを理解しておけば十分対処はできます。

建築費用が高めになる

中庭を作ることで外壁や角が多くなるため、建築費用が高くなりがちです。費用は、「ロの字→コの字→L字」の順で低くなっていくので、費用を抑えるなら、ロの字型ではなくほどよいプライバシーを保てるコの字型にするなど、予算と相談しながら決めると良いでしょう。

また、最初からハウスメーカーを一つに絞らず、複数見積もりを依頼して工事費をよく比較してみてください。

維持費や手間がかかる

中庭があるとお庭の手入れはもちろん、窓掃除など普段の掃除にも手間がかかります。高い窓を設置した場合、清掃業者などに依頼しなくてはならないかもしれません。

採光性も大事ですが、自分が手入れをしやすいような窓の高さ、庭の形にすることも大切です。

また、ウッドデッキなどを設置した場合は、定期的なメンテナンスも必要です。ウッドデッキは一生ものではないので、10年〜20年で作り替えないといけません。少しでも寿命を長くしたいなら、天然木よりも人工木を使いましょう。

雨水、湿気が溜まりやすい

屋根はなくとも四方を壁に囲まれている中庭は、湿気がたまりやすいです。湿気がたまると虫が発生したり、ウッドデッキが腐食しやすくなったりするため、換気をよくする対策が必要です。

また、大雨が降ると水が溜まってしまう可能性もありますので、排水設備も必要です。

部屋の数が少なくなってしまう

中庭はある程度の広さがありますから、その分、居住空間が減ってしまうことになります。

たとえば、これから成長する子供がいる場合は、子供部屋のスペースなども確保した上で、中庭をどう設置するかを考える必要があるでしょう。

その場合は、プライバシー性は多少下がっても、コの字型やL字型にして、居住スペースを広く取るようにしたほうが良いかもしれません。

冷暖房の効率が悪くなる

採光性を高めようと窓を大きくしたり、たくさん設置したりすると、室内の熱が逃げやすくなり冷暖房の効率がどうしても低下してしまいます。

その分、光熱費も高くなりがちなので、二重サッシにして気密性を高める工夫が必要です。

中庭のある家で快適に過ごす工夫や注意点

中庭でくつろぐ男性

中庭の大きさや位置によっては、部屋のレイアウトに工夫が必要です。特に、家事は毎日のことですので、負担にならないよう、生活動線などを考えておくことがとても重要です。

生活動線を考えて間取りを作る

ロの字型の中庭ですと、庭の周りを家がぐるっと一周することになりますので、部屋から部屋の移動に時間がかかります。

  • トイレやお風呂の位置
  • 洗濯機のある場所から干す場所までの移動
  • 玄関からリビングまでの距離

などをよく考えて間取りを決めることが大切です。

玄関からキッチンまでが遠いと、買い物から帰ってきたときに重いものを運ぶ距離も長くなってしまいます。

生活をする上で、どこにどの部屋があれば不便ではないか、よくシミュレーションをして決めましょう。

リフォームの方法も考えておくと良い

せっかく中庭を作ったものの、

  • 忙しくてちっともガーデニングを楽しめない
  • 芝生の手入れが面倒すぎる

など、思ったように楽しめないケースも出てきます。

しかし、一度作った中庭を居住空間にするにはまた費用がかかってしまいます。そこで、芝生をやめて床材を入れ、椅子やテーブルを置いてリビングのようにして使ったり、半分はガーデニングスペースにして家庭菜園を楽しむなどの方法があります。

万が一中庭を有効活用できなかったときのために、利便性を高める方法を事前に考えておくと安心です。

まとめ

中庭を作ると、周囲に高い建物があったとしてもたっぷりと日光を取り入れることができ、家の中も広く感じられます。プライバシー性も高く、人目を気にすることなく趣味を楽しむこともできます。

一方で、壁や柱の数が増えることで建築費用がかさむ場合があります。また、定期的なメンテナンスも必要になるため、維持費や手間が増えることもあります。

しかし、生活動線を考え、暮らしやすい間取りにすること、管理の手間を減らすための工夫をすることで、中庭のある家で快適に暮らすことはできます。予算とのバランスも考えながら、憧れの中庭のある家を手に入れましょう。

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