注文住宅に畳スペースは必要?後悔しない広さと使い方

注文住宅の畳スペースは、すべての家庭に必要というわけではありません。
しかし、リビングの一角に設けることで、子どもの遊び場や昼寝、家族のくつろぎの場所など、暮らしに合わせてさまざまな使い方ができます。
特に小上がりの畳スペースは、腰掛けとして使ったり、段差の下を収納に活用したりと、限られた空間を有効に使える点も魅力です。
一方で、広さや段差の高さ、リビングとのつながり方によっては、使いにくさを感じることもあります。
今回は、注文住宅に畳スペースを設けるメリット・デメリットや、必要な広さ、小上がりの高さについて解説します。
実際の設計事例も交えながら、後悔しない畳スペースのつくり方をご紹介しますので、ぜひ家づくりの参考にしてください。
注文住宅に畳スペースは必要?

畳スペースが必要かどうかは、ご家族の暮らし方や、そこでどのような時間を過ごしたいかによって変わります。必ずしも独立した和室を設ける必要はなく、リビングの一角に小さな畳スペースを取り入れるという選択肢もあります。
かつての日本の住まいでは、和室は客間や寝室として使われることが一般的でした。しかし近年では、リビングとつながる畳スペースを設け、日常の中で気軽に使える場所として取り入れるケースもあります。
たとえば、少し横になって休んだり、お子様が遊んだり、腰掛けてお茶を楽しんだり。畳の上で過ごす時間は、ソファや椅子とはまた違ったくつろぎをもたらしてくれます。
独立した和室ほどの広さを確保しなくても、暮らしの中に畳のある居場所をつくることは可能です。
大切なのは、畳スペースを設けること自体を目的にするのではなく、日々の暮らしの中でどのように使いたいかを考えることです。
注文住宅に畳スペースを設けるメリット
畳スペースの魅力は、ひとつの場所をさまざまな用途で使えることです。家族のくつろぎの場になるだけでなく、畳ならではの素材感や心地よさも暮らしに取り入れられます。
家族が自由にくつろげる場所になる
畳スペースは、使い方を限定せずに過ごせることが魅力です。
お子様がおもちゃを広げて遊んだり、家事の合間に少し横になったり、本を読みながらゆっくり過ごしたり。ソファとは異なり、床に直接座ったり寝転んだりできるため、そのときの気分に合わせた過ごし方ができます。
リビングの一角に設ければ、家族の気配を感じながら、それぞれが思い思いの時間を楽しめるでしょう。
子どもの成長に合わせて使い方を変えられる
畳スペースは、お子様の成長に合わせて用途を変えやすい空間です。
小さなうちは遊び場やお昼寝スペースとして使い、成長してからは読書や宿題をする場所に。さらに、家族がくつろぐ場所や来客時のちょっとした居場所としても活用できます。
特定の用途だけを想定せず、長く使い続けられるように計画しておくことで、暮らしの変化にも柔軟に対応しやすくなります。
い草の香りや肌触りを楽しめる
天然のい草を使用した畳には、独特のやさしい香りや、素肌に触れたときの心地よさがあります。
畳の上に寝転んだとき、ふわりと感じるい草の香り。手足に触れる自然素材の感触も、畳ならではの魅力です。
視覚的な美しさだけでなく、香りや肌触りといった五感を通してくつろぎを感じられることも、畳スペースを取り入れる良さのひとつです。
リビングにもうひとつの居場所をつくれる
リビングの一角に畳スペースを設けることで、ひとつながりの空間の中に、過ごし方の異なる居場所をつくれます。
ソファでくつろぐ場所、ダイニングで食事をする場所、畳の上でゆっくりと過ごす場所。
それぞれの居場所がゆるやかにつながることで、家族が同じ空間にいながらも、思い思いの時間を過ごせる住まいになります。
小上がりとフラットな畳スペース、どちらがいい?
畳スペースには、リビングの床と高さをそろえたフラットなタイプと、一段高くした小上がりタイプがあります。どちらにも特徴があるため、使い方や家族構成に合わせて検討することがおすすめです。
フラットな畳スペースの特徴

フラットな畳スペースは、リビングの床と段差なくつながることが特徴です。
空間に一体感が生まれ、家族が行き来しやすいことがメリットです。小さなお子様がいるご家庭や、将来的な段差の負担を抑えたい場合にも取り入れやすいでしょう。
一方で、畳の下に収納を設けることは難しく、小上がりのように腰掛けとして使うこともできません。
小上がりの畳スペースの特徴

小上がりは、リビングの床よりも一段高くして設ける畳スペースです。
床に高低差をつくることで、壁で仕切らなくても空間にゆるやかな区切りが生まれます。
段差に腰掛けたり、下部に収納を設けたりできることも魅力です。リビングとのつながりを保ちながら、少し落ち着いて過ごせる場所をつくりたい場合にも向いています。
ただし、段差がある分、上り下りのしやすさや転倒への配慮が必要です。
小上がりの高さは何cmがいい?収納との関係も解説
小上がりの高さは、腰掛けやすさや上り下りのしやすさ、収納の使い方によって考え方が変わります。一般的には20〜40cm程度の高さが検討されますが、誰にとっても使いやすい高さが同じとは限りません。
腰掛けとして使うなら高さも重要
小上がりを設ける場合、畳の上に座るだけでなく、段差に腰掛けて過ごすことも考えられます。
たとえば、リビングで過ごす家族と会話をしたり、お茶を飲みながらゆっくり過ごしたり。段差がちょうどよい腰掛けになることで、畳スペースの使い方が広がります。
小上がりの高さは、腰掛けやすさだけでなく、上り下りのしやすさや収納の使い方にも関わります。実際に腰掛けたときの感覚や、ご家族の過ごし方を踏まえながら、使いやすい高さを検討するとよいでしょう。
小上がりの下を収納として活用する
小上がりのもうひとつのメリットが、段差の下を収納として活用できることです。
イッカデザインでも、小上がりの下部に収納を設け、限られた空間を有効に使う工夫を取り入れています。
お子様のおもちゃや日用品、畳スペースで使うものなどを収納できれば、リビングをすっきりと整えやすくなります。
ただし、高さを確保すれば収納量が増える一方で、段差の上り下りが負担になることもあります。収納するものや取り出しやすさまで考えて計画しておくとよいでしょう。
イッカデザインが考える、畳スペースのある暮らし

イッカデザインでは、畳スペースの使い方だけでなく、そこで過ごす時間の心地よさにも目を向けています。
畳の香りや肌触り、窓から見える景色など、日々の暮らしの中で自然を身近に感じられる空間づくりを大切にしています。
い草の香りや肌触り、五感で感じる心地よさ
畳には天然のい草を使用し、素材そのものの心地よさも大切にしています。
畳の上に寝転んだときに感じる、い草のやさしい香り。素肌に触れる自然素材の感触。
何か特別なことをするのではなく、ただ横になってゆっくりと過ごす時間にも、畳ならではの豊かさがあります。
広さや収納といった機能面だけでなく、その場所で過ごす時間が心地よいものになるように。素材の選び方にも、そうした考え方を取り入れています。
窓の先に広がる植栽から、季節の移ろいを感じる
畳スペースの心地よさは、窓の取り方によっても変わります。
イッカデザインの施工事例では、窓の先に植栽を望めるように計画した空間もあります。
風に揺れる葉の動きや、光によって移ろう陰影。季節ごとに異なる植栽の表情を眺めながら、ゆっくりとくつろげる場所となっています。
室内にいながら自然の気配を感じられることは、住まいの豊かさにつながります。
畳の香りや肌触り、窓の先に広がる緑。視覚や嗅覚、触覚など、五感に寄り添う空間づくりも、イッカデザインが大切にしている考え方のひとつです。
畳スペースで後悔しないために考えておきたいこと

畳スペースは暮らしの幅を広げてくれる一方で、広さや配置、段差の高さによっては使いにくさにつながることもあります。採用する前に、日常の使い方を具体的にイメージしておくと安心です。
リビングとの広さのバランスを考える
畳スペースを広く取りすぎると、その分リビングやダイニングが狭くなってしまうことがあります。
反対に、必要以上に小さくすると、横になったり家族で過ごしたりするには使いにくい場合もあります。
畳スペースだけで広さを決めるのではなく、LDK全体のバランスを考えることがポイントです。
段差の高さと安全性を考える
小上がりは、腰掛けや収納に活用できる反面、段差があることで転倒や転落のリスクも生じます。
特に小さなお子様がいるご家庭では、遊び方や過ごし方によって注意が必要です。また、将来的に段差の上り下りが負担になる可能性も考えておきたいところです。
高さだけでなく、段差の位置や周囲の動線まで含めて検討しましょう。
畳の素材とお手入れのしやすさを確認する
天然のい草を使用した畳は、香りや肌触りが魅力ですが、湿気や日差しによる色の変化などにも配慮が必要です。
特に湿気がこもりやすい環境では、カビが発生することもあるため、換気や日常的な掃除を意識するとよいでしょう。
また、畳は使用する素材によって、見た目や肌触り、お手入れの方法が異なります。
素材そのものの魅力を楽しみながら、無理なく使い続けられるものを選ぶことも大切です。
何のために設けるのかを考える
畳スペースを設けたものの、あまり使わなくなってしまったという後悔を避けるには、どのような時間を過ごしたいかを具体的に考えておくことが大切です。
昼寝をしたいのか、お子様の遊び場にしたいのか、家族でくつろぐ場所にしたいのか。
使い方によって、必要な広さや高さ、リビングとのつながり方も変わります。
必ずしも用途をひとつに限定する必要はありませんが、自分たちの暮らしにとって心地よい場所になるかどうかを想像しながら検討してみましょう。
注文住宅の畳スペースに関するよくある質問
注文住宅に畳スペースはあったほうがいいですか?
畳スペースは必ずしも必要ではありませんが、床に座ったり寝転んだりする暮らしを楽しみたい方には魅力的な選択肢です。
お子様の遊び場や家族のくつろぎの場所など、さまざまな用途で使えるため、暮らし方に合わせて検討してみるとよいでしょう。
畳スペースは何畳あれば使いやすいですか?
用途によって異なりますが、2畳程度ならちょっとした休憩場所、3畳程度なら昼寝や子どもの遊び場、4.5畳程度なら家族で過ごしたり来客時に使ったりする場所として検討できます。
ただし、同じ畳数でも形状や寸法によって使い勝手は変わるため、実際の広さを確認することがおすすめです。
小上がりの畳スペースは収納をつくれますか?
小上がりの段差を活用して、畳の下に収納を設けることができます。
おもちゃや日用品などを収納する場所として活用できますが、収納の大きさや取り出しやすさは段差の高さや構造によって異なります。
畳スペースはリビングのどこに設けるのがおすすめですか?
リビングの一角に設ける場合は、家族の動線を妨げず、自然と使いたくなる位置に配置することがポイントです。
また、窓からの光や庭の景色、周囲とのつながり方によっても居心地は変わります。
単に余ったスペースに配置するのではなく、どのような時間を過ごしたいかに合わせて計画するとよいでしょう。
まとめ
注文住宅の畳スペースは、必ず設けなければならないものではありません。しかし、リビングの一角に取り入れることで、家族が自由に過ごせるもうひとつの居場所をつくることができます。
子どもの遊び場や昼寝、読書、腰掛けてお茶を楽しむ時間など、暮らしに合わせて柔軟に使える点が魅力です。
一方で、広さや小上がりの高さ、収納の使い方によって、日々の使い心地は変わります。畳スペースを設ける際は、用途だけでなく、リビングとのバランスや将来の暮らし方まで考えておくと安心です。
イッカデザインでは、京都での住まいづくりにおいて、畳スペースを単なる機能的な場所としてではなく、素材の香りや肌触り、窓から見える景色まで含めて、心地よく過ごせる空間として考えています。
畳の上に寝転び、い草の香りを感じながら、窓の先に揺れる葉を眺める。
そんな何気ない時間が、日々の暮らしを豊かにしてくれるのではないでしょうか。
ご家族の過ごし方や住まい全体のつながりを丁寧に考えながら、その家に合った畳スペースをご提案しています。

執筆者:江島徳香
注文住宅の設計を行う設計士として暮らしやすさを大切にしながら、間取り計画や動線設計、住宅設備の考え方などを日々提案しています。
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