2023.8.4
資金計画

注文住宅の坪単価の相場はいくら?計算方法や注意ポイントを知ろう

注文住宅を建てようと思い情報を集め始めると、「坪単価」という言葉を目にすることが多くなると思います。1坪あたりの価格を示す坪単価ですが、単にこの数字だけを比較して業者を決めてはいけません。

坪単価が安ければ建築費が安いかというと、そうではないことがあるからです。

坪単価はどのように計算するのか、どのような費用が含まれているものなのか、坪単価について詳しく知ることで、正しい比較ができるようになります。

安いと思って依頼したら思ったよりも費用がかかってしまったと、うっかり予算オーバーにならないよう、坪単価について理解を深めていきましょう。

注文住宅の坪単価の基本を理解しよう

まず、1坪の大きさはおよそ3.3平方メートル、畳2枚分です。畳については地方によって若干の大きさの違いがあるため、3.3平方メートルで理解したほうが正確です。

坪単価の計算方法

坪単価とは、この1坪あたりの価格を示すものであり、家を建てるときの建築費の目安を知るために知っておくべき価格です。ただし、ここで説明する計算方法はあくまで一般的に行われている方法であり、法令で明確な根拠があるわけではないという点にご注意ください。詳しくは、次の章でも説明します。

建物の本体価格を延べ床面積で割ると坪単価が出ます。たとえば、本体価格3,000万円だとして、延べ床面積が30坪、50坪なら、それぞれこのようになります。

  • 3,000万円÷30坪=坪単価100万円
  • 3,000万円÷50坪=坪単価60万円

ひとつの目安として、坪単価30万円〜50万円の家はローコスト住宅、50万円〜60万円はミドルコスト住宅、70万円以上になると高価格帯の住宅とされています。中には90万円〜100万円の家もあります。

注文住宅の坪単価の相場はおよそ60万円

全体的な相場ですが、国土交通省の「建築着工統計調査(2022年)」によりますと、一戸建てを建てる際の平均坪単価はおよそ60万円となっています。

様々な構造の住宅全ての平均ですので、木造の場合はもう少し低くなります。鉄筋コンクリート造は費用がかかりますので、坪単価は約100万円です。

地域による違いもありますがおよそこのくらいの金額を目安として考えると良いでしょう。

ハウスメーカーと工務店など業者ごとに坪単価が違う理由

住宅が立ち並ぶ様子
坪単価を比較してみると、会社によってかなり幅があることに気づくでしょう。しかし、この坪単価だけで価格が高い、低いということを安易に決めることはできません。

それは、坪単価の算出方法に理由があります。先ほども説明した通り、坪単価を算出する上で明確な定義がなく、法令で算出方法が決まっているわけでもないためです。

建築費に広告費などの費用が入っている

坪単価は建築費を延べ床面積で割って算出します。延べ床面積とは、各フロアの床面積の合計です。平屋なら1階のみ、2階建てなら1階と2階の床面積の合計となります。なお、吹き抜けやロフト、一定の大きさ以下のベランダや玄関ポーチは延べ床面積に含まれません。

延べ床面積は建築基準法できちんと定義されているものですが、坪単価を算出する際の「建築費用」には、家の建築費以外の費用が含まれている場合があります。

たとえば、

  • モデルハウスで案内をするスタッフの人件費
  • テレビCMでタレントを起用する際の費用
  • 研究開発費

などを上乗せして建築費を算出すると、坪単価は高くなります。ですので、同じような広さの住宅であっても、街の工務店よりも大手ハウスメーカーの方が坪単価は高い傾向にあります。

延べ床面積ではなく施工床面積で割っている

延べ床面積の定義はありますが、坪単価の計算方法の定義はありません。ですから、一般的には延べ床面積で割ることが多いのですが、中には施工床面積で割っている業者もあるのです。

施工床面積とは、延べ床面積には含まれない吹き抜けやベランダ、玄関ポーチなど、建築した場所全ての面積です。

たとえば、延べ床面積は50坪、施工床面積が60坪の場合、坪単価にはこのような差が出ます。

  • 3,000万円÷50坪=坪単価60万円
  • 3,000万円÷60坪=坪単価50万円

どちらの数字で割っているかによって、坪単価も大きく変わるのです。

諸費用を含んでいるかどうかでも坪単価が違ってくる

また、住宅の登記に必要な費用や火災保険料など、諸費用を本体価格に含めているかどうかでも、坪単価が変わります。本体価格3,000万円に諸費用が含まれていなければ、一見坪単価が安く見えるので、単純に坪単価を確認するのではなく、費用の内訳も確認しなくてはいけないということです。

間取りや使う資材によっても坪単価が変わる

たとえば部屋数が増えると、壁や仕切りも増えるため、建築資材や工事費、人件費が高くなります。

また、大量生産できるユニットバスやシステムキッチンを使用すればその分コストを下げることができますが、資材や設備にこだわり、グレードの高いものを使おうとすると当然建築費も高くなります。

つまり、建築資材の内容なども比較しなければ、単純に坪単価だけで安いか高いか、決められないということです。

工法によっても坪単価は変わる

注文住宅の建築方法も費用が変わる重要な要素となります。

  • 木造
  • 鉄骨造
  • 鉄筋コンクリート造

の3つが基本で、木造住宅の方が鉄筋コンクリート造よりも費用は安く済みます。ですから、同じ広さの家でも、構造によって坪単価がかなり変わるということです。

注文住宅の坪単価を比較するときのポイント

PCで調べる女性
では、そもそもの算出条件が違う坪単価をどう比較すれば良いのでしょうか?

割っている数字が延べ床面積か施工床面積かを確認する

施工床面積の方が延べ床面積よりも大きくなりますから、施工床面積で割っていると坪単価が低く見えます。少しでも安く見せるために施工床面積を使って坪単価を出している業者も多いので、延べ床面積だと思っていると、他社の坪単価との比較をする際に支障が出ます。

何で割っているのかを、必ず確認しましょう。

諸費用も含めたトータル額を比較する

本体価格以外に、どのような費用が含まれているのかを確認する必要があります。

  • ガス工事
  • 照明器具
  • エアコン
  • 屋外給排水工事
  • 火災保険料
  • 登記の費用

などの費用が建築費用に含まれているかどうかを確認してください。

諸費用が含まれていないと坪単価が安く見えます。安い!思って飛びついてはいけません。坪単価を安く見せておいて、後から諸費用を請求されるというケースもありますので、建築費には何が含まれているのか、内訳を必ず確認してください。

もし坪単価にこれらの費用が含まれていない場合には、その費用も加味して比較しないと正しい比較ができません。

資材や内装のグレードも必ず比較する

同じくらいの広さの家でも、使っている資材によって建築費用は大きく変わります。外装はもちろん、床のクロスや壁紙など使っている面積が大きな部分については建築価格に大きな影響を及ぼします。

比較するときはこれらの資材のグレードもあわせて比較しましょう。なかなか難しいところではありますが、資材や設備も中身を確認することで、同じ条件での比較ができるようになります。

まとめ

注文住宅の坪単価とは、1坪あたりの建築費の目安となる数字です。一般的には建築費用を延べ床面積で割ったものを坪単価といいますが、業者によっては延べ床面積ではなく施工床面積を使用している場合もあります。そうすると、同じ広さの建物でも坪単価が安くなるため、単純な比較はできません。

また、建築費用に何が含まれているのかも確認が必要です。本体価格以外の費用や保険料などの諸費用などが含まれたものかどうかによっても、坪単価は変わってきます。表示されている坪単価だけでなく、計算方法や本体価格以外の費用をきちんと確認することで、正しい比較ができるようになります。

今回は、坪単価を比較する際の注意ポイントについてもまとめていますので、注文住宅の費用を比較するときの参考にしてください。

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