2025.2.26
家づくり

ZEH住宅とは?定義からメリット・デメリットまで徹底解説

近年、環境問題への関心が高まる中、住宅分野でも持続可能な暮らしを実現するための取り組みが進められています。その中で注目を集めているのが「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」です。

ZEH住宅は、住宅で使用するエネルギーを大幅に削減し、太陽光発電などの創エネ設備によってエネルギー収支を実質ゼロ以下にすることを目指した住宅です。

今回は、ZEH住宅とは何か、メリットやデメリットなど基礎的な知識についてわかりやすく解説します。ZEH住宅に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

ZEH住宅とは消費エネルギーがゼロ以下になる家のこと

ZEH住宅の定義や種類について説明します。

ZEH住宅の定義

ZEH住宅は「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略で、使うエネルギーと作るエネルギーがプラスマイナスゼロになる住宅のことです。

具体的には、家庭で使う電気やガスの量を少なくするために、家の中の熱が外に逃げにくい高断熱仕様にし、少ないエネルギーで動くエアコンや給湯器などの省エネ設備を使います。さらに、太陽光発電などでエネルギーを作り、家全体でのエネルギー消費を実質ゼロにします。

ZEH住宅の種類

ZEH住宅には、いくつかの種類があり、それぞれ基準が少しずつ異なります。

1.ZEH(ゼッチ):自給自足できる家
最も標準的なタイプで、エネルギー消費を100%以上削減する

2.Nearly ZEH(ニアリーゼッチ):あと少しで自給自足できる家
100%には達しないけれど、75%以上のエネルギー削減ができる

3.ZEH Oriented(ゼッチオリエンテッド):都会で自給は難しいけど節約上手な家
太陽光発電は設置しないが省エネ性能が高い住宅で、主に都市部のマンションや狭小地向け

4.ZEH+(ゼッチプラス):自給自足+貯金もしっかりできる家
通常のZEHよりさらに高性能な住宅で、蓄電池や電気自動車とつなげてエネルギーを有効活用する

ZEH住宅として認められるための条件

ZEH住宅として認められるためには、いくつかの厳しい条件をクリアする必要があります。これらの条件は、住宅の省エネ性能を最大限に高め、年間の一次エネルギー消費量を実質ゼロ以下にすることを目指すためのものです。

断熱性能が高いこと

ZEH住宅の最も重要な条件の一つが、高い断熱性能です。住宅を断熱材で覆うことで、外部の熱の影響を受けにくくし、室内温度を一定に保つことができます。断熱材によって冷暖房の使用量を大幅に減らすことができ、省エネに貢献します。

具体的には、ZEH住宅の断熱性能は、国が定める省エネ基準よりもさらに高いレベルであることが求められます。地域や住宅の規模によって基準値は異なりますが、いずれにしても高い断熱性能が必須です。

省エネシステムの導入

ZEH住宅では、高い断熱性能に加えて、省エネ性能の高い設備やシステムを導入することが求められます。たとえば、高効率のエアコンや給湯器、LED照明、節水型のトイレなどが挙げられます。

これらの省エネ設備を導入することで、住宅全体のエネルギー消費量をさらに削減することができます。また、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)を導入することで、エネルギーの使用状況をリアルタイムで把握し、より効率的なエネルギー管理が可能になります。

創エネによってエネルギーを生み出すこと

ZEH住宅では、省エネに加えて、エネルギーを創り出すことも重要な要素となります。代表的な創エネ設備としては、太陽光発電システムが挙げられます。

太陽光発電システムによって、住宅で使用するエネルギーの一部を自給自足することができます。また、蓄電池を導入することで、太陽光発電で得られたエネルギーを貯めておき、必要な時に使用することができます。

これらの創エネ設備を導入することで、住宅の一次エネルギー消費量をゼロ以下にすることが可能になります。

さらに細かなZEH住宅認定の基準

ZEH住宅として認定されるためには、上記の条件に加えて、さらに細かな基準を満たす必要があります。これらの基準は、国が定める「ZEHロードマップ」に基づいて定められており、ZEH住宅の普及を促進するための目標値などが設定されています。

ZEH住宅の認定を受けるためには、専門の機関による審査を通過する必要があります。審査では、住宅の設計図や仕様書、エネルギー計算書などが提出され、厳格な基準に照らして評価されます。

ZEH住宅のメリット

光熱費が上がり続ける中、自らエネルギーを作り出せるZEH住宅のメリットは非常に大きいです。

光熱費を下げられる

ZEH住宅は、高い断熱性能と省エネ設備でエネルギー消費を抑え、さらに太陽光発電で電力を生み出します。そのため、毎月かかる電気代やガス代を大幅に削減できます。

たとえば、夏はエアコンを長時間使っても冷房効果が高く、使用電力を抑えられます。冬は暖房で温めた空気が外に逃げにくく、少ないエネルギーで快適に過ごせます。

太陽光発電で作った電気を使うことで、昼間の電力使用をほぼゼロにすることも可能ですし、余った電力は売電できるため、光熱費がプラスになることもあります。

市場で高く評価される

ZEH住宅は、将来的にも資産価値が高く評価されます。国が省エネ住宅を普及させる政策を進めていますから、ZEH基準を満たした住宅は、今後さらに需要が高まると予想されます。「環境に優しいエコな家」として、売却や賃貸の際にも評価が高くなるでしょう。

家は、通常、時間が経つほど資産価値が下がっていきますが、ZEH住宅は長期的な資産価値を維持できる点が大きなメリットとなります。

非常時に蓄えた電力を活用できる

ZEH住宅の多くは、太陽光発電と合わせて蓄電池を導入しますので、災害時や停電時にも電力を使える安心感があります。

日中に発電して余った電力を蓄電池に貯めておくことで、夜間や非常時に活用可能です。万が一、地震や台風などで停電しても、冷蔵庫やスマートフォンの充電、最低限の照明などは自家発電で確保できます。蓄電池を活用すれば、電気自動車(EV車)への充電も可能です。

日本は災害の多い国で、どこに住んでいても安全ではありません。防災の観点からも、ZEH住宅は非常に頼りになります。

遮音性が高い

高断熱性能を持つZEH住宅は、遮音性も高いのが特徴です。高性能な断熱材や複層ガラスを使用しているため、外の騒音を大幅にカットします。

交通量の多い道路や、近隣の生活音も室内に響きにくくなるだけでなく、室内の音も外に漏れにくくなるため、プライバシーも守られます。在宅ワークや子育てにも快適な環境で、静かで落ち着いた暮らしができるのは、見逃せないメリットです。

ヒートショックを予防できる

ZEH住宅は、高い断熱性能で、冬場の脱衣所や浴室も暖かさを維持します。急激な温度変化がなくなることで、入浴時の血圧変動を抑え、心臓や血管への負担を減らせますから、ヒートショックの予防にもつながります。

家のどこにいても快適な温度で、高齢者や小さな子どもがいる家庭でも、安全で健康的に暮らせます。

ZEH住宅のデメリット

快適に暮らせるZEH住宅ですが、費用の面ではデメリットだと感じられる部分もあります。

メンテナンスに費用がかかる

ZEH住宅は高性能であるがゆえに、太陽光発電システムなど定期的なメンテナンス費用が必要です。

たとえば、太陽光発電システムはパネルにホコリや鳥のフン、落ち葉などがたまると発電効率が下がるため、定期的な清掃が必要です。専門業者に依頼すると1回2〜5万円程度の費用がかかります。発電した電力を家庭で使える電気に変換するパワーコンディショナーの交換も必要です。寿命は約10〜15年で、交換費用は約20〜40万円となかなか高額です。

蓄電池も寿命は10〜15年で、交換費用は50〜100万円とされています。長期的には大きな負担になることがあります。高性能エアコンや給湯器なども、通常の住宅より高性能であるため、修理や交換費用が高くなる傾向にあります。

初期費用を抑えるために補助金を利用しても、長期的なメンテナンス費は見逃せないデメリットです。

発電量は天候次第

ZEH住宅は太陽光発電に大きく依存しますが、天候によって発電量が左右されるという欠点があります。晴天時の発電量を100%とすると、曇りの日は約30〜50%、雨の日は約10〜30%程度しか発電できません。梅雨や冬の時期は日照時間が短いため、思うように発電できず、結果的に電力を電力会社から購入する必要が出てきます。

夏は日照時間が長く発電量も多いですが、冬は日が短く発電量が減ります。そのため、年間を通して安定した発電量を確保するのが難しいです。蓄電池を導入すれば、発電できない時間帯の電力も確保できますが、高額な導入コストがかかります。

ZEH住宅には補助金制度がある

建てるのに高額な費用がかかるZEH住宅には、補助金制度があります。戸建てか集合住宅か、または ZEHの種類によって補助金額は違います。たとえば戸建てZEH住宅には55万円、ZEH+なら100万円の補助金が支給され、追加設備による加算もあります。

補助金を申請するためには、ZEH仕様となっていることを証明する書類などが必要で、住宅事業者が行います。各年ごとに予算枠が決まっており、早めに申請しないと予算上限に達して締め切られてしまいます。もしこれからZEH住宅を検討するなら、早めにハウスメーカーと相談した方が良いでしょう。

まとめ

ZEH住宅は、高い断熱性能、省エネ設備、創エネ設備を組み合わせることで、年間の一次エネルギー消費量を実質ゼロ以下にすることを目指した住宅です。

高断熱・高効率設備を活用して消費エネルギーを抑え、太陽光発電などで電力を生み出します。光熱費の削減や快適な室内環境が実現できるほか、災害時の電力確保や資産価値も高まります。

一方で、高額なメンテナンス費用もかかります。ZEH住宅の導入を検討する際には、メリットだけでなく、デメリットや費用、補助金制度についても十分に理解し、ご自身のライフスタイルや予算に合わせて最適な選択をすることが重要です。

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