コラム
夜、帰宅して家中のあかりをひとつひとつ灯していく。
私にとって、それは一日の緊張をほどき、
心に平穏を取り戻すささやかな儀式のような時間です。
決して広くはないLDKですが、そこには4つのあかりがあります。
スタンドライト、ペンダントライト、デスクライト———。
ガラスや布、琺瑯といった素材の違い。
光が透けるもの、あるいは遮るもの。
ひとつひとつの特徴が違い、光の広がり方も異なります。

中でも一番のお気に入りは、福岡のアンティークショップで
セミオーダーしたスタンドライトです。
シェード、スタンド、コードの色までセレクトしたオリジナル。
自分で選んだものだからこそ愛着が湧き、
光が上下にふわりと広がる様子を眺めながら、
温かな照明に包まれてお茶を飲む。
そんな夜のひとときが、何より好きです。

こうした「心地よいあかり」を空間の中にどう配置するか。
IKKA DESIGNが考えるあかり。
それは、単に暗闇を照らすためのものではありません。
効率よく部屋全体を明るくするのではなく、
必要な場所に、必要なだけの光をそっと置く。
例えば、家族が集まる食卓を包む柔らかな光。
あるいは、壁に静かな陰影を落とす、一隅のスタンドライト。
こうしたあかりのあり方は、古くから大切にされてきた知恵でもあります。


かつての日本に、蝋燭の燈火を慈しむ文化があったように。
「影があってこそ、光が生きてくる」
私たちは、その揺らぎや余白の中にこそ、
住まいの美しさが宿ると信じています。

暮らしの数だけ、ふさわしい光の形があります。
私自身が、この小さな光に救われているように。
一日の終わりに、ふっと肩の力が抜けるような時間を、
お客さまにも過ごしてほしいと思っています。
あかりのひとつひとつを、丁寧に、大切に。
ご家族の毎日に、静かに寄り添い続ける光を、
対話を重ねながら、一緒に見つけていきたいです。
yanagi
