コラム
先日、あこがれの椅子を購入しました。
その名は、サファリチェア。
4年ほど前、福岡の家具屋さんで出会った時の、
あたたかな素材感と静かな佇まいに強く惹かれた感覚を
今でも鮮明に覚えています。

直感でこれだと思った決め手は、使われている素材。
アームはヌメ革、脚はアッシュ、背面と座面はリネンキャンバス、
前後にはレザーベルトがゴールドのバックルで留められています。
まさに、私の好きな自然素材がふんだんに使われている椅子です。
経年変化したレザーの風合いと
サイドテーブルに置かれたドライフラワーとの空気感。
その全てが理想的で一目で心を奪われました。
それから4年。
家が整い、お気に入りの雑貨が増え、
今ならあの椅子が馴染みそう。
そう思い、ようやく購入を決めました。
近代家具の父、コーアクリントがデザインしたこの椅子は、
アフリカのサファリで使われたことからこの名がつけられました。
外でも簡単に持ち運びできるようなノックダウン式の椅子で、
実際に分解された状態のまま、自分で組み立ててみました。

組み立てる時間は、ようやく憧れの家具を手に入れた感動と
早くこの椅子に座ってみたいというわくわくとした気持ちでいっぱいでした。
完成した時には、自分で組み立てたからこそ、より一層愛着が湧きました。
荷重によって角度を変える背もたれは、どんな姿勢にもフィットし
ハンモックのように優しく包み込んでくれます。
まさに、デザインと機能性を兼ね備えた理想の椅子です。
最近では、夜にこの椅子に長く座るために、
家事を早く済ませるようになりました。
食後、お茶を飲みながらゆったりとくつろぐのが癒しの時間です。
また、休日にはいつもより少し早く起き、
椅子に腰掛けてゆっくりと朝食をとるようになりました。
窓から見える緑が日に日に成長していく様子を眺めるのもお気に入りです。

一生ものの椅子は決して安価なものではありません。
ですが、たった一脚の椅子が、心に余白を生み
暮らしを豊かにしてくれると、身をもって実感しました。
家具屋さんで見たあの椅子のように
私のサファリチェアも長い時間をかけても自分らしい色に育てていこうと思います。
使い込まれる中で刻まれる傷さえも、ともに歩んだ証として感じられる。
経年変化を楽しみながら、大切に使い続けていきたいです。
yanagi
