2025.12.25
資金計画

土地購入はいつ?注文住宅で失敗しないタイミング × ローンの組み方

いい土地が見つかったから、先に土地だけ押さえておきたい。そんなときに気になるのが、土地購入のタイミングと住宅ローンをどう組むかではないでしょうか。土地だけ先に購入してもローンは利用できますが、仕組みや流れを理解していないと、「思ったより返済が重い」「建物にかける予算が足りない」といった失敗につながることもあります。

とくに、土地先行融資(分割融資)やつなぎ融資を使う場合は、いつ融資が実行されて、いつから利息や返済が発生するのかを把握しておくことが大切です。

そこで今回は、土地購入のタイミングと住宅ローンの基本的な流れ、土地を先に購入することのメリット・デメリットなど、わかりやすく解説します。土地が先か、家と同時か、迷っている方はぜひ参考にしてください。

土地だけ先に購入しても住宅ローンは使える?まずは基本の考え方

土地だけ先に購入して住宅ローンを利用することは可能です。ただし、建物を建てることを前提とした融資であること、土地と建物を合わせた資金計画がきちんと組まれていることが大前提になります。

土地・建物トータルで「資金計画」を立てることが大前提

土地を先に購入するときにありがちなのが、「土地に予算をかけすぎて、建物の費用が足りなくなる」というパターンです。住宅ローンは、土地・建物・諸費用を合わせた総額に対して借入額や返済額を検討するのが基本です。

  • 毎月の返済額
  • 金利タイプ
  • 自己資金として用意できる頭金
  • 登録免許税や不動産取得税などの税金

も含めて、トータルで無理のない資金計画を立てておくことが重要です。

事前審査・本審査・融資実行のタイミングを押さえておこう

土地だけを先に購入する場合でも、審査から融資までのタイミングはとても重要です。事前審査は、土地探しを本格化させる前から並行して行っておくと、希望する借入額でローンが組めそうかどうかの目安が分かり、予算オーバーとなるのを防ぎます。

本審査は、土地の売買契約と建物の建築請負契約がそろってから申し込むのが一般的です。審査を通過すれば、土地代金の支払い時や建物の着工・完成のタイミングで融資が実行されますが、どの段階でどのくらいの資金が必要になるかによって、利用するローンの種類や段取りが変わってきます。

土地先行購入で使える住宅ローンのパターンと仕組み

土地だけ先に購入する場合でも、いくつかの方法で住宅ローンを利用できます。代表的なのが、土地と建物をそれぞれのタイミングで借りる「土地先行融資(分割融資)」と、建物が完成してから本格的な住宅ローンにまとめる「つなぎ融資」です。

どちらを選ぶかによって、利息が発生するタイミングや手続きの流れが変わってくるため、仕組みを理解したうえで選ぶことが大切です。

土地先行融資(分割融資)とは?土地代と建物代を分けて借りる方法

土地先行融資(分割融資)は、土地の購入時に一度目の融資を実行し、建物の工事代金の支払い時に二度目の融資を実行する方法です。最終的には、土地・建物を合わせた一つの住宅ローンとして返済していくイメージになります。

具体的には、まず土地の売買契約と建築請負契約を結んだうえで、金融機関に住宅ローンを申し込みます。本審査が通ると、土地の決済日に合わせて土地代相当額が先に実行され、その時点から利息や返済がスタートします。その後、建物の着工金・中間金・残代金のタイミングで、残りの融資が分割して実行され、最終的な借入額が確定します。

土地先行融資のメリットは、完成後の住宅ローンと同じ金利タイプで借りられることが多く、資金の出入りがシンプルになりやすい点です。一方で、土地購入の時点から元利返済が始まるケースも多いため、賃貸に住み続けている期間は「家賃+ローン返済」の二重負担になりやすい点には注意が必要です。

つなぎ融資とは?工事期間中の支払いをカバーする融資

つなぎ融資は、土地代金や建物の着工金・中間金など、「建物完成前に必要になる支払い」を一時的に立て替えるための融資です。工事期間中はつなぎ融資として資金を借りておき、建物が完成して引き渡しを受けるタイミングで、本来の住宅ローンに一本化して借り換える流れになります。

つなぎ融資の多くは、工事期間中は利息のみを支払う仕組みになっており、元金の返済は住宅ローンへ切り替わってからスタートします。そのため、「賃貸家賃+利息のみ」の負担で済むケースが多く、完成までのキャッシュフローを比較的抑えやすいのが特徴です。

ただし、つなぎ融資自体の金利が住宅ローン本体より高めに設定されていることもあり、トータルの利息負担がどうなるかは事前に確認しておく必要があります。また、つなぎ融資に対応していない金融機関もあるため、利用したいローン商品でつなぎ融資が使えるかどうかを早めに確認しておきましょう。

どのパターンを選ぶかは専門家に相談しながら決めるのがベスト

土地先行融資とつなぎ融資のどちらが良いかは、

  • 自己資金の額
  • 現在の住まいの状況
  • 利用したい金融機関のローン商品

などによって変わります。たとえば、完成までの負担をできるだけ抑えたい人は、つなぎ融資で利息のみを払いながら進める方法が向いている場合があります。一方、できるだけ金利の負担を抑えたいという場合は、土地先行融資(分割融資)がよいでしょう。

ただし、本当にそのプランでいいのか、家を建てるのが初めての人には判断がつかないことが多いです。インターネットの情報だけで決めてしまうのではなく、不動産会社・建築会社・金融機関など、専門家に相談しながら、「自分たちの予算とスケジュールに合う方法はどれか」を比較検討することが大切です。

土地だけ先に購入するメリット・デメリット

土地を先に購入しておくことは、建物プランをゆっくり考えられるというメリットがあります。一方で、建物がまだ建っていないうちから返済や税金などの負担が始まるケースも多く、デメリットもゼロではありません。

メリット:希望エリアの物件を先に確保できる・建物プランをじっくり検討できる

人気エリアや駅近の土地、分譲地の一角などは、迷っているあいだに他の人に買われてしまうことも少なくありません。土地だけでも先に購入しておけば、「場所」はしっかり確保したうえで、建物のプランをじっくり検討できるのが大きなメリットです。

ハウスメーカーや工務店をいくつか比較しながら、間取りのプランや標準仕様、追加オプションなどを落ち着いて検討できます。

デメリット:返済や税金などの負担が先行しやすい

一方で、土地を先行購入すると、建物が完成して住み始める前からお金の負担が発生しやすい点がデメリットです。土地代金を住宅ローンや土地先行融資で支払った場合、その時点から利息や返済が始まります。また、土地を取得すると、固定資産税や都市計画税などの税金も毎年かかるようになります。

土地先行購入を検討する際は、いつまでに着工できそうか、建物の予算は無理がないかまでセットで考えておくことが重要です。賃貸に住んでいる人は、家賃とローンの二重支払いが発生する期間についても注意してください。毎月の支払いで暮らしを圧迫されないよう、あらかじめ家計シミュレーションをしておきましょう。

まとめ|土地購入と住宅ローンのタイミングを理解して、無理のない家づくりを

土地だけ先に購入して住宅ローンを利用すること自体は、仕組みとしては十分に可能です。ただし、建物を建てる計画が具体的にあることと、土地・建物・諸費用を合わせた資金計画がきちんと組まれていることが大前提です。土地代だけを見て判断するのではなく、総額でいくらになり、そのうち毎月いくら返済することになるのかまで見通しておくことが大切です。

ローンは土地先行融資(分割融資)やつなぎ融資の主に2つがありますが、それぞれ、利息が発生するタイミングや二重支払いの有無など、メリット・デメリットが異なります。インターネットの情報だけで決めてしまうのではなく、金融機関・不動産会社・ハウスメーカーなど専門家に具体的な金額とスケジュールを伝えたうえで、自分たちのケースに合う方法を一緒に検討してもらうと安心です。

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