2025.6.23
土地探し

土地探しで失敗しないコツ~よくある失敗と後悔しない賢い選び方

マイホームを建てるにあたり、土地探しはまさに最初の大きなハードルです。「立地も価格も良さそう」と思って購入したのに、家を建てる段階になって、さまざまなトラブル、問題が起こることがあります。

たとえば、建ぺい率の制限で理想の間取りが実現できなかったり、地盤改良やインフラ整備に思わぬ費用がかかったりすることがありますが、こんなはずじゃなかったと後悔だけはしたくないものです。

土地は、焦って購入してはいけません。思わぬ「落とし穴」にはまりやすくなります。そんな失敗を防ぐため、今回はよくある失敗例を紹介しながら、土地探しで後悔しないための5つのコツをわかりやすく解説します。

土地探しを始める前に〜理想の土地とは?

土地探しを始める前に、まず考えておきたいのが「理想の土地とは何か」ということです。見た目や価格の安さだけで判断してしまうと、思い描いた家が建てられなかったり、住み心地に不満が出たりと、後悔につながるケースが少なくありません。

理想の家が建てられる広さと建ぺい率があるか

まず確認したいのが、その土地にどんな建物が建てられるのかという点です。たとえば、建ぺい率(敷地に対する建物の建築面積の割合)や容積率(延べ床面積の割合)などの法的な制限によって、希望していた広さや間取りが実現できないことがあります。

また、狭すぎる土地では、駐車場が取れなかったり、庭がつくれなかったりと、生活スタイルに影響する可能性もあります。建てたい家のプランがある程度見えているなら、それを叶えられるだけの敷地条件が整っているかどうかを事前にチェックしておきましょう。

インフラが整っていて工事がスムーズに行えるか

土地によっては、水道やガスなどのインフラが整備されていない場合もあります。その場合、引き込み工事や設備設置のために、別途費用と工期が必要となり、当初の予算を超えてしまうケースもあります。

特に、郊外の安価な土地ではこのようなケースが多いため、購入前に

  • 上下水道
  • ガス
  • 電気
  • インターネット環境

などの整備状況を確認しておくことが大切です。

地盤がしっかりしていて災害リスクが少ないか

どんなに条件が良さそうに見えても、地盤が弱い土地では、建物が傾いたり、地震の際に大きな被害を受けたりするリスクがあります。そのため、購入前にはハザードマップで浸水リスクや地震リスクを確認するのはもちろん、必要に応じて地盤調査を依頼するのも有効です。

また、過去の造成履歴や周囲の地形も参考になります。盛土や切土がされているエリアでは、沈下や地滑りが起きやすい可能性があるため、購入には慎重な判断が必要です。

土地探しの4つの失敗例

土地探しは一生に一度の大きな買い物だからこそ、「失敗したくない」と慎重になる方が多いでしょう。ここでは、よくある失敗例を4つご紹介します。実例から学ぶことで、自分自身の土地選びに役立てていきましょう。

1.理想の土地を見つけたのに迷っている間に売れてしまった

「ここだ!」と思える土地を見つけたものの、家族と相談しているうちに他の人に先を越されてしまった。これは非常によくあるケースです。人気エリアや条件の良い土地は、買い手がつくのも早いです。

とはいえ、焦って即決するのも危険です。信頼できる建築会社や不動産会社と連携し、事前にある程度の「購入判断ライン」を明確にしておくことが、スピードと冷静さの両立につながります。

2.法規制を知らず理想の間取りが実現できない土地だった

「家は広く取れるはずだったのに、役所で確認したら思ったよりも狭くなってしまった」そんな落とし穴にはまるのが、建ぺい率や容積率、用途地域といった法規制の見落としです。

たとえば「第一種低層住居専用地域」では、建築できる建物の高さや形に厳しい制限がある場合もあります。土地を買う前に、自治体の建築指導課や不動産業者を通じて、制限内容を必ず確認しておきましょう。

3.土地は安かったが配線工事や水道工事で諸経費がかかった

価格の安さに惹かれて土地を購入したものの、インフラの整備が不十分で工事が必要となった場合、結果的に数十万円〜百万円単位の追加費用発生するおそれがあります。

特に注意したいのが、水道の引き込みがされていない、電柱が遠く配線工事が必要といったケースです。土地本体は安くても、諸経費込みでは想定以上の出費になることがあるため、インフラ状況は事前に必ず確認しておくことが大切です。

4.地盤改良で予算オーバーしてしまった

見た目にはきれいな造成地でも、実際には地盤が弱く、建物を安全に建てるために地盤改良が必要になる場合があります。地盤改良には数十万円〜数百万円のコストがかかることもあり、あっという間に予算オーバーということになりかねません。

地盤の強さは目に見えないため、購入前にハザードマップや地盤調査報告書などを参考にし、必要であれば簡易地盤調査を依頼することも検討しましょう。

土地探しで失敗しないための5つのコツ

土地選びで失敗しないためには、予算や条件の整理から、実際の見学、購入まで、一つひとつを冷静に進めることが成功のカギとなります。

1. 予算やエリアなどこだわり条件を明確にする

まず最初に取り組むべきは、資金計画の明確化です。家本体の建築費用に加えて、土地の取得費、外構、諸経費までを含めた総予算を把握しましょう。

そのうえで、

  • 駅から徒歩〇分以内
  • 学区内
  • 南向き
  • 最低でも30坪以上

など、希望条件を整理し、優先順位をつけていくのがポイントです。

理想をすべて叶える土地はなかなか出会えません。だからこそ、譲れない条件と妥協できる条件を分けておくことで、迷わず判断ができるようになります。

2. 土地と建物はセットで考える

「土地が先」「家は後で」ではなく、理想の家を実現するためには土地と建物は一体で考えることが大切です。土地の形や方位、道路との接道状況によって、設計できる間取りは大きく変わります。

可能であれば、土地探しの段階からハウスメーカーや工務店と相談し、建物のプランとセットで検討するのが賢い進め方です。一緒に進めていければ、法的な制約で理想の家が建てられないという問題も起こらないでしょう。

3. 必ず現地に足を運び、周辺環境を確認する

ネットや資料の情報だけで判断せず、必ず現地を訪れて確認することが重要です。

昼と夜、平日と休日で周辺の雰囲気は変わることがあります。たとえば、交通量の多さ、近隣住民の様子、音やにおい、スーパーや学校の距離など、実際に行ってみないとわからないことがたくさんあります。

将来の生活をイメージしながら、周辺環境も含めて土地を評価しましょう。

4. 建ぺい率や用途地域など土地の基礎知識を身につけておく

土地を選ぶ際には、法的な制限やルールについても最低限の知識を持っておく必要があります。建ぺい率・容積率・用途地域・高さ制限などは、建てられる家の規模やスタイルに直結します。

法令の内容を理解しておくことで、「理想の間取りが建てられない」という失敗を防ぐことができます。難しい場合は、設計士や不動産会社に事前に確認してもらいましょう。

5. 気になる土地があれば、すぐに間取りの相談ができる体制を整えておく

「気になるけど、ちょっと考えてから…」と先延ばしにしている間に、他の人に購入されてしまうことはよくあります。
そこで大切なのが、気になる土地が見つかったとき、すぐに間取りやプランの相談ができる準備をしておくことです。

建築会社と事前に連絡を取り合っておき、「この土地に希望の家が建つか?」「どんなプランが可能か?」をすぐに確認できれば、スムーズかつ確実な判断がしやすくなります。

どうしても理想の土地が見つからないときの対処法

土地探しはタイミングと縁です。いくら情報収集をがんばっても、なかなか「これだ!」という土地に出会えないこともあります。そんなときこそ、焦らず、冷静に立ち止まって考えることが大切です。

安さや一時の勢いで判断しない

なかなか良い土地に出会えない日々が続くと、「この価格ならアリかも」「早く決めないともう出てこないかも」と、気持ちが焦ってしまうものです。ですが、価格の安さにひかれて本来の希望と合わない土地を選んでしまうと、暮らし始めてから後悔する確率が高くなります。

土地は一度買ってしまうと、簡単には手放せません。将来の生活まで見据えて、「今だけ安い」ではなく、「長く満足できる」かを軸に判断しましょう。

一度、条件を見直してみる

理想にぴったりの土地が見つからない場合、こだわりすぎて条件が厳しくなっている可能性もあります。希望する条件がすべて揃う土地は、なかなか出てこないものです。

そんなときは、「駅からの距離は徒歩15分でもOKにしてみよう」「南道路でなくても、設計で日当たりはカバーできるかも」といった具合に、優先順位の低い条件を見直してみましょう。

建築士や不動産会社と一緒に再整理することで、意外と盲点だったエリアや土地の選択肢が見えてくることもあります。

まとめ

土地探しは、家づくりの土台となる重要なプロセスです。見た目や価格だけで判断してしまうと、あとから「思っていたのと違った」と後悔することも少なくありません。

今回はよくある失敗例をもとに、土地選びで注意すべきポイントや、後悔しないための5つのコツをご紹介しました。価格だけでなく、建物とのバランスを意識しながら土地を選ぶことが、満足のいく家づくりへの第一歩となります。広さや建ぺい率、インフラや地盤の状態、周辺環境など、焦らず、冷静に、多角的な視点で土地を見極めることが大切です。

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